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遡り  作者: りら
8/19

7

離婚届はすでに提出済だった。


喪主は髙橋家として義父が行った。

親族として参列はした。

両親にも義両親にも責められ、罪悪感、喪失感で、後悔でいっぱいになっていた。

萌は美穂の両親が育てると言っている。

英二の頭にはなにもはいってこない。何も理解できない。追いつけない。

言葉は「なんで・・・」しか出てこない。

なんでみほはしんだんだ

なんであんなひどいことをみほにいったんだ

なんでしんじてあげれなかったんだ

なんでみほはおそわれたんだ

なんで・・・



大翔には殴られた。

「こんな・・・」

なにか言っていたが全く覚えていない。


なんでかの問いは、1つだけわかる。

大翔とうわきしたか思い込んでしまったのは、璃子が先に言ったからじゃない。

聞いてないけど、大翔はむかしから美穂が好きだったからだ。

目でわかる。

赤ちゃんからの幼馴染だから、俺とは違う何かがあった。

でも俺だって小学校から美穂のこと好きだ。

大翔に奪われないよう、頑張ってアピールして、笑顔にさせて、楽しくさせて、先に告白したんだ。遠距離の時はひやひやだった。やっと同棲して、結婚して、子供も生まれて、美穂は自分のものになったと思ってたのに、やっぱり大翔のほうががいいんだ、大翔にうばわれた。と思ってしまった。



少しでも落ち着こうとタバコを吸いに席を外す。

電話をしている女性がいた。


「なんで・・しん・・うのよ!」

口論しているようだ。


少し近づくと

「私のせいではないわ。あんたがよっぽどひどく扱ったんでしょう。ただ別れさせようとしただけよ。大翔があんなに早く来るなんて想定外だったわ」


璃子だった。璃子がこちらに気付く。

「え・・えいじ・・・なんでこ、ここに・・・」

ひどく動揺している。


「璃子が俺を、美穂が浮気してると思わせて別れさせようとしたのか」


「・・・」


「美穂は、美穂の言っていることは本当だったのか。お前の演技にまんまとひっかかったのか」


「・・・」


静かにその場をさった。

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