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「美穂、8月の花火大会一緒に行かない?」
大翔が言った。
英二はあれから距離を置いてくれている。
大翔はずっと私を支えてくれている。
「いいよ」
美穂は返事した。
花火大会当日、せっかくだからと金魚柄の浴衣を着てみた。
ピンポーン
インターフォンには大翔が写っていた。
「は―い」
玄関を開けた。
ぽかんと口を開けた大翔がいた。
「大翔?」
「いや、浴衣来たんだね。俺も着ればよかったな。すごく似合ってる」
「あ、ありがとう・・・」
赤面してしまう。
「い、行こうか」
「うん」
以前とは違う花火大会の日がはじまった。




