15/19
14
「璃子。話がある」
久しぶりに話しかけてきたと思ったら、何よその言い方。
「何、急に」
「美穂の悪口言いふらしてるのお前だろう」
「私じゃないわ」
「みなお前が発信といっている」
「・・・悪口じゃないもの。ほんとのことを言ってるだけでしょ」
「璃子、璃子は美穂のこと嫌いなのか」
「・・・きらいよ。ずっとずっと大嫌いよ。美穂美穂ばっかりうるさいのよ」
「・・・だからあの時も俺をだまそうとしたんだな」
「は?何の話よ」
「いや、なんでもない。・・・」
「美穂には振られたよ。」
「・・・英二にそんな顔させるなんて、美穂許せない」
「璃子、美穂は悪くないんだ。噂を流すのはやめてくれ。璃子、たのむ」
「・・・」
英二は土下座している。
『美穂』のために。
「私だって英二のこと好きなのに!なんで美穂ばっかり・・・」
涙があふれてくる。
「璃子、俺は璃子も傷つけてたんだな。本当ごめん。」
「あやまらないでよ。みじめになるだけじゃない。」
もう顔はぐじゃぐじゃだ。
「ごめっ・・いや、ありがとう璃子」
落ち着くまで英二がそばにいてくれた。
今は、それで十分だった。




