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初執筆、初投稿です。短編2話になると思います。どうぞよろしくお願いします。(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
気がついたら区役所のような建物の中にいた。目の前にはボタン式発券機があり発券機の下には「順番にお取りください」と張り紙が貼ってあった。
「あれ?区役所に用事あったっけ?さっきまで庭で草むしりしてなかった?あれ?」と思いながらとりあえず後ろもつっかえてるしさっさと番号の紙を取り近くの椅子に座ろうと周りを見ると椅子がなく上から下まで全身真っ黒い影のような人々がそこに立っていた。恐怖で立ち尽くしていたら「発券番号4649番の方」7番の席に起こし下さいと、いかにもAIの声で呼ばれた。
再び意識が浮上する。
今度は宝くじ売り場のような的とボーガンに矢がセットされている場所に立っていた。周りを見渡すと沢山の的がありそこに必ず担当の人が1人ついていて、そこに白い服を着た人々が綺麗に順番を列になって並んでいる。
的はグルグル回っていて何が書いてあるか分からない。私の隣にいる担当者が「あなたのタイミングで引き金を引きなさい。」と言った。
担当者をまじまじ見たが無表情な女性で感情が全く読み取れない性別も分からない髪は茶色のボブで彫りは深いが特に印象に残る顔立ちではない。言われるまま戸惑いながら引き金を引いた。パシンと音がしての的に矢が刺さると、回っていた的が止まり「地球」「それ以外の星」と書いてあった。矢は「それ以外の星」に刺さっていて担当者は
「それ以外の星に矢が刺さったので3番にお進み下さい。」と感情もなく伝えた。私は「それ以外の星ってなんですか?」と聞くと担当者は「ここで並んでる人はみんな元地球人、地球以外に行く人はどの星に行くかを決めなければ行けません。3番にお進み下さい。」と言われた。元地球人?私は今は地球人じゃないのか?何?ここどこ?と思ったら、自分がどこの誰だが分からないことに気がついた。3番の札の列に並び順番が来るとまた的とボーガンが、的に当てると今度はよく分からない名前が書いてある。担当者は「アスタリスクと言う星があなたの行き先です。」と無機質な言葉で伝えた。
思わず「ここはなんなんですか?行先ってどういう事ですか?」と聞き返す。担当者は「言える事しか答えませんが、ここは天界です。あなたはこれから輪廻転生されるため行き先を決める運命の的を射っているのです。」
輪廻転生?え?死んだの?いつ?と思ったあたりから自分の性別、年齢、家族、学生だったのか社会人だったのか全く覚えていないことに恐怖し始めた。
体がガタガタ震えだし立っていられなくなり蹲る。
3番の担当者は無表情に耳を抑え何がブツブツとつぶやいていたが今はそれどころでは無いただただ怖い。担当者が何か声をかけていたが、全く耳に入ってこない。その後プツッと意識を失った。
目を覚ますと真っ白い天井起き上がると窓もなく真っ白い壁と床もベットも白い
「気がついたようですね。」と言われ人が居たことにはじめて気がついた。
「混乱されているようなので少し冷静になるお茶をお飲みください。」そう言われお茶をサイドテーブルに従者?みたいな人が出してきた。出されたお茶を見ながら眉間にシワが寄った。「もうそなたは亡くなってる。もし毒が入っていても何ともならぬよ。」と苦笑いする人の顔を見ると顔が見れない。表情どころか顔はあるのだが目鼻口あるのだが、脳に顔が認識されないというか顔が分からない。
愕然とした表情を見てその人は困った声で「私は神に近い存在。顔は認識されないのだよ。顔も分からない者のお茶は飲めぬかな?」
神に近い存在?は?何?怖!と思いながら思わず、「飲まないとどうなります?」と声が出た。
「警戒する気持ちもわかるが、何度も気絶されては話が進まぬ。出来たら飲んでくれ。」真剣な声が聞こえた。ここは、度胸だもう死んでるって言われたし自白剤とかだったとしても覚えてないし!大丈夫!大丈夫!と自分に言い聞かせながらだいぶ冷めた緑茶のようなそれを煽った。
「飲んでくれたか。少しづつだが、気持ちが落ち着くから、我の話をその間聞いてほしい。」と自分の存在が珍しい事の説明がされた。
「我の名前はヨメコゼお主が前世の記憶が残ったまま転生部屋に来たと報告が来てのー。何年かに1度はそのようなものが現れるのじゃが、こんなに混乱しているのはめずらしくてのぉ。もう一度『無の間』に入って全て記憶を消した方が良いかと思ってお主が気がついたら聞こうと思っていたのだ。」
なるほど…と思いながらこれ高待遇じゃない?さっき気絶してる時に『無の間』って所に入れられたっておかしくないのに。ヨメコゼさんめっちゃ優しい。とお茶のおかげか穏やかに話を聞くことが出来た。そして「確かに前世の記憶はあります。ただ、自分の事が全く思い出せないのです。それで怖くなってしまって混乱してしまいこのようなことに、ご迷惑をお掛けして大変申し訳ございません。」と頭を下げた。
ヨメコゼは楽しそうな声を出しながら「よいよい!それは混乱するであろう。して、どうする?前世の記憶は?」と言われて悩む。
前世で大好きだった異世界転生小説では、地球より文明が進んでない。はたして実際どうなんだろう?UFOが本当なら地球よりずっと先進だろう。そもそも私の学歴は?勉強好きだったのか?いや、たぶん嫌いだろうな。でもどのくらい努力したのか分からない。
中世ヨーロッパ系なら記憶あった方が良いし、先進的な星ならなまじ地球で習った古い記憶に引っ張られて自滅しかねない。
「ヨメコゼ様アスタリスクという星の事は教えてくださいませんか?」ここはずるでも聞いておくべきだ。
「うむ、天界の機密事項じゃ」
でたー機密事項。ケチー。思わず舌打ちしそうになり堪える。まあ、他の人も知らないで生まれるのに私だけ知って生まれるのはまあ、良くはないよねーと思いながらついつい口がつぼまる。
ヨメコゼは楽しそうな声で「今まで前世の記憶がある者達はよろこんでおったのにお主は何を悩んでおるのだ?あーよく記憶がある者たちが申しているゲームとか小説とかの世界はないぞ。」
えっ!無いの?と思わずヨメコゼを見る。「それはそうであろう。生まれてきた者たちがそれぞれの物語を作るのだ。人がの創造物がその通りに動くなんて気持ちが悪いであろう。人には人格がある感情があるそれぞれの心持ちじゃ。人それぞれに物語があるのじゃ。何がモブだ!みんなヒロインでヒーローなんじゃよ。どんなに『私そんなタイプじゃないひっそり生きたい。』と思っても自分で自分の物語を紡いでるんじゃ。それが楽しかろうと辛かろうと人生が終わるまで紡ぐのじゃ。」
うわー。重いなー。これ転生しなきゃダメなのかなぁ?私転生部屋の担当者とかでもいいんだけど…と思い「あのー。ここで働くことは出来ませんか?神様たちの従者でもメイドでも、先程の転生部屋の的当ての所にいる方でも頑張ってお仕事します!転生したくありません。」「うむ…お主の魂は転生することが決まっておるのだ、因みにここで働いているものたちは地球で言うホムンクルスじゃよ。感情がなかったであろう?」
ホムンクルスって死んだ肉体を錬金術で人造人間にするあれですか?天界に人造人間?
「…死んだ肉体はどうやって?」「機密事項じゃ。」
デスヨネー。分かってた聞いた私が馬鹿だった。もうそこには触れるまい。
「して、そなたはどうしたい?」そんなに急かされて決めるものなの?ちょっと待って…と思わずヨメコゼを手で制止する。
「あー。えー。そんなに急がなければいけないんですかね?」とこぼす。
「そなたの器の性別がわかる頃なんじゃよ。」
「うつわ?」
「うむ。もうそなたの母に命は宿っておる。」
「え?じゃあ性別が分かるのは月齢4、5ヶ月くらい?」
「よく知ってるのぉー」
……ん?なんで知ってるんだ?
前世看護師?医療のこと分からないな。これは違う。それとも経産婦?男性なら子煩悩な親?しっくりこない。
子供がいたら私が死んだあと子は幸せなのかとか心配してしまう。
結婚してたらパートナーは私が死んで大丈夫かと心配してしまう。
思い出せない人を心配してどうする。薄情なのか?いや、今考えるのはよそう全く覚えてないのだから。
「性別これから決めるんですか?」
「うむ。決めるというかだなぁ。記憶持ちは前世と同じ性別の方が混乱せんのだよ。」
「へぇー。そんなものですか。」
「一概には言わないが、確率的な話しよ。」
「記憶持ちで性別変えた人もいるってことですか?」そう言うとちょっと慌てたヨメコゼが「うむ。」とだけ答えた。
これ以上は話せないのねー。自分はきっと前世で空気を読む人間だったんだわー。とすました顔をした。
「話を戻しましょう。」
「そもそもそなたが話を折りまくってるのであろう。我がまるで話を脱線させてるような言い方はいただけぬ。」
…えーそこ?そこ地雷?と思いながら、ヨメコゼを見ると頭の上辺りに湯気らしきものが見える。プンスコしてるのが見える。まずいと思いええい!ままよと勢いつけて、「ごめんなさい。そんなつもりで使った言葉じゃないんですよ!ヨメコゼ様早く決めて欲しいみたいですし、決めちゃいます!記憶持ちのまま転生します。」
「ほう。お主も前世の記憶がおしくなったのかの。あいわかった。ではお主の性別は女とする。」今サラッと前世女性ってばらしたねぇ。
じゃあやっぱり子供産んだ経験あるのかしら?なんて思いながらヨメコゼを見ると耳に手を当てブツブツ呟いている。さっきの転生部屋の担当さんがやっていたのと同じ行動。何となくどこかと通話してるのだろうと眺めてしばらく、ヨメコゼが話を終えたらしい。「そなたには、これから母胎に入ってもらう。ついてまいれ。」と言い真っ白い部屋からようやく出る。しばらく白い壁床の廊下を静静と歩き、あー行ったことないけどどこかの研究施設みたいだなぁ。なんて思っていたら両開きの重そうな白いドアしかもヨーロッパ風の神々しい彫刻が施されていた。
「ここが、そなたが行くアスタリスク星の転生先へ行く部屋じゃ。我は地球の物ゆえここでおさらばじゃ。久しぶりに楽しかった。良い人生を送るのじゃ。」そして手を振ってくれた。
ああ、これで私は地球人ではなくアスタリスク星人になるのか、ものすごーく寂しくなってきた。力いっぱい手を振り返し思い大きな重い両開きの扉を開けた。
読んでいただきありがとうございました。




