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四話 緊急放送

翔太は食器を洗い終わると電気屋に向かうことにした。

とりあえずカートはフードコートに置いたまま電気屋に向かうことにした。

電気屋は三階だ、エスカレーターに乗った。

やはり、夜になると寂しさが増すのだ…孤独だから。

三階に着くと、寄り道せずに電気屋へと向かう。


電気屋に着くと、いろんな家電が並んでいた。

電気や冷蔵庫、テレビとパソコンとかスマホ、ゲーム機にたくさんある。

今後電力が止まって、仮に発電設備がなかったら…ここに頼る事となるだろう。

だがら明日は必ず発電設備の探索だ。


さて話がズレてしまった…テレビがあるスペースは一番奥だ…。

テレビコーナーに向かった。

そしてテレビコーナーに着くと、何十台ものテレビがあって大型テレビもある。

翔太が引きずって持ってきたマッサージチェアがあってこれで楽な姿勢で観れる。

まぁ、見る価値があると言ったら…。


何にせよ、展示品のテレビのリモコンを点ける。

テレビが点くと、デカデカと『緊急放送』と表示された。

「まだ…9時になっていないのか」

腕時計を見ると時刻は『8:48』となっている。

このご時世なのかわからないが、昼間のテレビ放送は不定期だが…。

だが必ず、午後9時になると放送する。

何故夜からなら決まってテレビ放送をするのか…?

気になるが、ポテチとジュースで見ようじゃないか。


まだ時間がある為に店の外に直ぐある自販機に向かう。

金は無限だ…大丈夫だ。

色々な家電を見ると、またレイアウトしたいなとも思う。

まぁ時間は腐るほどあるからやってもいいかもしれないと、翔太は思った。

こんな、最新機能の備えた電子レンジやパソコンを無料で頂けるのだから‥。

家具店だってあるから自分の思い通りにいく…。

だからやることは尽きないのだから…。


自販機には多くの飲み物がある。

とりあえず自分の好きな『ロイヤルミルクティー』を選んだ。

ペットボトルで飲みごたえのあるから気にっている。

キャップを外して、飲んだ。

まろやかな味わいとコクのあるミルクがこれまた美味しさをだしている。

やっぱり見渡す限り誰もいない。

未だにあんなに賑わっていたこの場所が翔太一人だなんて信じられない…。

だがそれは現実だ。


信じたくない現実に打ちのめされる。


そんなことを思って、またテレビコーナーに戻った。


テレビコーナーに戻ると時刻は『8:59』となっている。

あと残り1分だ。

俺はしょうもない放送を観て楽しむのか…?そんな疑問が浮かぶが人恋しさを紛らわすためだ。

翔太はそんな事を思っていると‥‥‥。


「ピッ―――緊急放送です――――こちらは日本緊急放送です―――只今から放送を再開します」

ブルー色の淡色をバックにまたテロップが流れた。

「やっと始まった…」

ポテチの袋を開けて食べた。

ただボッーと眺めた。


すると画面にヘルメットを被ったキャスターが映し出される。

なにを守っているのか‥‥? いや感染者か。

「――えーと只今は政府の…そうです政府の感染者による対策ビデオを今…流します」

ニュースのキャスターはたどたどしい口調で話していた。

多分放送局が東京でそれを全国に放送してるのだろう。


「これからは、日本政府『吸血鬼型伝染ウィルス』による感染者の対応マニュアルを今から放送します、これを観ている国民の皆様はこのマニュアルに沿った行動をとってください…。

まずは…一般市民は感染者を見かけても基本的には逃げてください。 あなたが感染する場合もありますので、だが逃げられない場合は発煙筒などの強い光を放つものに近づけると怯えます。

なのでそのすきに逃げましょう、そして一般人は近隣の指定避難所に避難してください、避難所が崩壊している場合は直ちに自宅から出ないでください、ドアを木の板で塞ぐなどしてください。

決して訪問者が来てもドアを開けないで下さい。 感染が収まるまで家から出ないでください。

そして商業施設の窃盗は犯罪となります。 勝手に物を取らないでください。

都心部では食料は自衛隊の管轄となります、見つけた場合は厳重に処罰されます…」


翔太は思った、酷いもんだなと――。

別に一般市民を救助するわけでもない、ただ食料を独占しようとしようとしているだけだ。

本当に政府は一般市民を助けようとしているのか?


翔太はここに来て数回は自衛隊のヘリを何度か見かけた。

だが、絶対に気づいているのに素通りしていくのだ…。

何をしようとしているのか?

やっぱり食料の独占かな?


「…いや…待てよ…」


翔太に嫌な予感がする。


もしかしたら、警察とか自衛隊が来て。

食料を奪われるのかもしれないじゃん…!

それは翔太にとって『死』を意味する。

根こそぎかっさらうから…。


そしてテレビの画面は変わった。


「はい、緊急放送でした‥、次は本当はいろいろな識者に来てもらいたいのですが…現在は不可能‥?

ですので…はい…そして、速報ですが…あれ?・‥‥ああわかりました。 避難所に暴走族や強盗団による被害が急増していて、避難所が人で溢れて避難所から出ていった放浪者が暴徒化して避難所を襲うという凄惨な事件が起こっています、それに東京では自決の一途を辿っています…私の意見ですが、この状況が一刻でも早く改善して適切な秩序を守り感染者の対処に‥力を尽くして欲しいです。 復興を願っています、テレビを見ている視聴者の皆様に情報を届けたいです…私たちは全力を尽くしています…なのでまた元通りの平和な世界になることを願っています…はい、次は深山博士のお話です…」


いつまで放送しているのか…?


この世界に安全な場所なんてないのだろう…。

またポテチを食べたのだった。

もしかしたらこの放送を観ている人間はどのくらいいるのだろうか…。

そんな暇はなくて翔太以外見ていないのかもしれない。

実際にも外にはうじゃうじゃ集まってきている…。

銃とかも入手した方がいいのかもしれない。


そのためには仲間が必要だ。

無線機とかも探したらあるかもしれないな…。

やっぱり、一人だけでは生きていけないのだ…この世界では…。


テレビでもやっている襲撃に備えないといけない‥車の運転の練習もしないといけないのだ。


夢ならば、世界を正常にして欲しい。


翔太はそう思ったのだった……。




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