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一話 屋上の少年

この大型商業施設いやショッピングモールでは日々市民の生活を支えていた場所だった。

食料品店や生活雑貨それに衣類などの様々なテナントが入っていた。

だからここで買い物をしてここで食事をする、そう毎日賑わっていたのだった…が。


だが今は人が一人もいなかった…。

照明は煌々と点いていて施設いやショッピングモールでは日々市民の生活を支えていた場所だった。

食料品店や生活雑貨それに衣類などの様々なテナントが入っていた。

だからここで買い物をしてここで食事をする、そう毎日賑わっていたのだった。


この広大なショッピングモールには人影すらなく、テナント内にただ奇麗に陳列された商品だけが残っていたのだった。

いつもだったら賑わっていたはずだった。

やはり何処にも人の姿はない。

照明と店内音楽、ゲームセンターの騒音だけが人のいないショッピングモールを不気味に思わせたのだった。

けれど、屋上の立体駐車場の上に一人の少年がいた。

少年の背丈は平均的な中学生だと分かった。

その少年の格好は一万円台の高いジャンパーと高級ブティックのジーンズを履いていた。

それに加えてブランド物のスニーカーや高級時計も身に着けていた。

明らかに中学生の身なりとは程遠い。

だが彼は資産家の息子ではないし、家が大金持ちでもない。

家柄は一般家庭で育ってきた。

なので金を払って購入したとは考えにくい。


ともかくこの少年は野球バットを右手に持っていた。

ボールを軽く上に投げると、思いっきりバットを振った。

乾いた音とともにボールは、はるか彼方に飛んで行った。

「ホォ~ムラァ~ンッ~!!!」

大声を出して満面の笑みを浮かべた。

ショッピングモールに人がいたら、普通にヤバい奴で警備員に押さえつけられていただろう。

ボールは駐車場に落下して、そのまま何かにあった…。

その何かは人間でもなければ、動物でもない。

正確には生きていない。

それは元人間だが…顔は真っ白な目に瞳は点ぐらいしかない。

顔中に血管が浮き出ていて紫色の斑点があり人間ではない。

口には普通の歯ではなくライオンのような牙が生えている。

時折呻き声を上げる…。

こいつらは駐車場を埋め尽くすかのように何百といる。

満員電車のように…。

そいつらは屋上にいる少年を狙っていた。

上ることもせずにただ上を向いて呻き声を上げて涎を垂らしていた。

入り口は全てシャッターで閉ざされていて立体駐車場の入り口にもシャッターがかけられていて、それに屋上駐車場の所まで厳重にシャッターが閉ざされていたのだった。

そして、どんどん奴らが集まってきたのだった…。


約4ヶ月前に世界中を襲った『吸血型伝染ウィルス』別名ドラキュラ病だ。

そのウィルスの特性は簡単なものだ。

吸血型伝染ウィルスに感染すると知能が低下して無作為に人間を見つけ次第、人血をむさぼっていくのだ。

嚙まれたものは数秒程度なら離せるが十秒経つと奴らを離せなくなり気を失って仲間を増やすのだ。

この感染したものを『感染者』という。

現在はほとんどの国が壊滅状態だ。

日本政府は形だけとしてテレビ放送やラジオ放送を続けている。

実際は人間の領土は日々失われていくのだ。

そんな絶望した中、少年はショッピングモールに今日も立てこもっている。


少年の名前は上川翔太(かわみねしょうた) 十四歳。

このショッピングモールからおよそ四キロ近くの所に彼の通っていた中学校がある。

吸血型伝染ウィルスが日本列島に猛威を振るったのは三か月前だ。

その三か月前の日に少年の中学校に感染者が授業中に乱入してから彼の運命は大きく変わった。


さてこの話は長くなりすぎてしまった…。

この続きはまた次回で。


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