前へ目次 次へ PR 9/32 空の呼吸 大きく息を 吸って ためらわずに 吐いて 混沌とした 最中(さなか)にあって 見失いそうな 日々を 歩いているのなら 見よ あの空を 見上げよ かの空を いつか 涙が 辿り着く場所よ 綾なす雲の 虹色 それは 筆書きの 柔らかな跡がつく手紙 涙の理由(わけ)を 綴るでもなく こぼれた 息を 拾い ここで 見上げる者へと 宛てられた手紙 いま一度 取り戻せ 呼吸を この身すべて 染め上げるように 吸って 透明になるが如く 吐いて 眠る その声を 呼び覚ませ たとえば それが 泣くための 最初の 嗚咽だとしても──