
つと
振り返れば
もう
夕焼けの只中に居て──
***
わたしの
宝物
ぜんぶ
あげたっていい
あの
空に
わたし一つ
置いてくれるなら
***
名前を知りたいんです。ありとあらゆる空の名前を。その色の名を。使い古した手帳にそれを書き付けて、字面からそれを取り出し、私だけの空にするんです。
……ええ、分かっています。分かっています。そうやって何日も何日も過ごしたあと、ほんとうの空を見上げれば、『名もない』空の美しさにひれ伏すことなんて。分かりきっていますとも。
だけれど、名前を知りたいんです。手元に空を、たとえばポケットに空を、一度は持ってみたいのです。