前へ目次 次へ 4/32 風の強い日/海 風の強い日だった。白波が多く立って、遮るもののない砂浜で、風は私の額(ひたい)を露にした。 太陽にかかっていた雲を凪ぎ払い、海の色が一段と輝きだす。砂浜から少し離れた場所で、群生するシロツメクサが一つ一つ伸びをした。 波打ち際の透明。何もかも見透かすようなそこに、触れないギリギリのラインを歩く。 今、私の瞳の端から端まで、海だ。そこから溢れてしまいそうな、海だ。 人差し指を出してごらん 海のつくりかたを 教えてあげる 波の音が聞こえたなら スッと一本 水平線を引いてみるんだ