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願う
まぶたを閉じれば、見えないはずの天井からいくつも星が降ってきて、なにがどうして、泣きたくなった。
感情に振り回されるのは、厄介で居心地が悪い。
泣きたくないのに泣いてしまうとなれば、尚更。
沈みかけた心がずぶずぶと、底へ底へと下っていく。
密閉された闇のなかで天井から降る星の、光が途切れゆくのを見送る。いくつも、いくつも。
光輝くものの尾を掴むことなく私は見ている。いつも、いつでも。
降る星が暗闇の海に、音もなく落ちていくのを夢想する。
受けとめるもののない甘えが、やるせなさを伴ってそこにある。
果てのないものが好きだ。遠く及ばないものは、いつだってどこか優しい。受け止めはしないけれど、行き場のない感情をそっと並走させてくれる気がするから。
絵の具をつけた筆を滑らせるように、そこに沿うことを、許してほしい。
いつか途切れ途切れ──そうして掠れ、擦りきれるまで