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scrapbook 2021  作者: a i o
23/32

願う

 まぶたを閉じれば、見えないはずの天井からいくつも星が降ってきて、なにがどうして、泣きたくなった。

 感情に振り回されるのは、厄介で居心地が悪い。

 泣きたくないのに泣いてしまうとなれば、尚更。

 沈みかけた心がずぶずぶと、底へ底へと下っていく。

 密閉された闇のなかで天井から降る星の、光が途切れゆくのを見送る。いくつも、いくつも。

 光輝くものの尾を掴むことなく私は見ている。いつも、いつでも。

 降る星が暗闇の海に、音もなく落ちていくのを夢想する。

 受けとめるもののない甘えが、やるせなさを伴ってそこにある。

 果てのないものが好きだ。遠く及ばないものは、いつだってどこか優しい。受け止めはしないけれど、行き場のない感情をそっと並走させてくれる気がするから。

 絵の具をつけた筆を滑らせるように、そこに沿うことを、許してほしい。


 いつか途切れ途切れ──そうして掠れ、擦りきれるまで











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