第一章 これが出会いと言えるのか！？Part.1
皆さんは、小説や漫画、アニメなどから影響を受けて
こんな青春を送ってみたかったと思うことがありませんか。
私の学生時代は、某ファンタジー系魔法使いが流行っており
この伏線でこういう展開になったらなと空想を巡らせては
小説の中の世界と現実が入り乱れた学生生活を送っていました。
（主に脳が小説の世界り入り浸って現実世界に出てこなかったため）
小説や漫画、アニメの世界だけでは人は生きてはいけませんが、
その中から現実世界を潤す鍵となれるような小説はたくさんあります。
鍵とまではいきませんが、パズルのピースと思われるような
（なくても全体像がわかるけど、なかったらなかったで何か足りない）
小説を書いていきたいと思います。
何卒、最後まで宜しくお願い致します。
筆を執りました。
第一章 これが出会いと言えるのか！？（前編）
「なかなか来られないのでお迎えに上がりましたよ。
小林君、今からあなたを連行させていただきます。私の命に従わない気でしたら、
通報してもいいですけど。」
「ぇ、本当に通報する気なの？」
「通報は冗談ですが、それなりの恥をかいていただくことになるとは思いますので。
それなりの覚悟はしていただかなければならないと思います。」
「とくに危険なこともしてないし、僕、綾瀬さんにそんなに悪いことしたかな？」
「はい、百害あって一利なしです。それに、小林君に今逃げられると私は都合が悪いんです。」
「…。」
（通報も納得がいかないし、理不尽なまでに身勝手すぎる論理。）
「自分でも非道なことを言っているとは自覚しています。
でも、ここまでしないと小林君は連いてきてくれないと思ったんです。」
綾瀬さんは凛とした言葉とは裏腹に困ったような顔で、僕を見つめてきた。
（女の子に胸を痛ませてまで悪役間がいなことを言わせっちゃったら、
僕には素直に綾瀬さんの後を連いていく選択肢しか残されていないなぁ。
綾瀬さんは罪悪感にさいなまれながらこの言葉を口にしていて、
僕は綾瀬さんに冷酷無情なことを言わせているってことになるんだから。
ん？これってつまり僕が全面的に悪いってこと…。）
自分の意志とは無関係に悪へと足を踏み入れてしまっている状況に苛まれながら、
僕小林博は綾瀬さんの後ろをただついていくことしかできなかった。
◇
「陰にて清き心を磨き徳を積むべし。さすれば称号、与えられん。」
綾瀬さんの後ろを歩きながら僕の頭の中では、入学式から今までのことが
走馬灯のよう駆け巡っていた。
「兄者。今日は、戦士ピンクやって。」
（敬意の籠った呼び方をされるのは悪い気はしないが、
何故僕はいつも女の子役を頼まれるのだろうか。果たして僕は、敬意を払われているのかな。）
「いいよ、僕は何役でもこなしてあげるよ。」
「キャー、助けて。レッド、早く来て。」
「お前は、ピンクのふりをしているトランス戦士だな。成敗してやる。」
（結局、僕がやられるのね。）
「うぅ、やられるぅ。」
華麗にはかない断末魔でフィニッシュだ。悪役たるもの去り際が大事だよね。
「兄者、弱い。最終的にはやられるからって手を抜かないで。
僕たち本気なんだから、もっと本気出して。」
「と見せかけて、ウォーりゃー。アルティメットトランスアタック。」
気づけば全力で子供たちを追いかけまわしていた。
◇
「おはよう。」
「ぉはよぅ。」
昨日は、全力で子供たちを追いかけまわして朝から筋肉痛だ。
「あのちょっとよろしいですか。」
クラスメイトの一人に声を掛けられる。
そういえば、この時はじめてクラスメイトと会話らしきコンタクトを取った気がする。
そして、その人は僕の記憶が確かなら綾瀬さんだった。
思えばこの時から予兆はあったんだ。でもその時の僕は筋肉痛で身体中が悲鳴を上げていて
「うぅ。」
と答えにもならない声を振り絞ることしかできなかった。
思った通りの返事がもらえず、綾瀬さんは少し不服そうだ。
「これは、私がその場に押し掛けるしか方法がなさそうですね。」
綾瀬さんの独り言のような言葉は僕の耳には届かず、
何事もなかったかのように何気ない日常の一コマに溶けていった。
人生初の長編小説を書ききります。（予定）
いつも途中で断念してしまうので、今度こそは！！！
温かく見守って下さると幸いです。
