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待つ彩花
「次郎、帰ってきてくれたんだね……」
次郎に行き場がないのは彩花だって知っているだろうに。
「ちょうど今、お風呂が沸いたところよ。入る?」
なんと、彩花が風呂の準備をしていた。予想もしてなかった出来事に、いそいそと風呂場に移動する次郎。
「ちょっと! 次郎それ何!? どうしたのよ!?」
次郎の背中が真っ赤に腫れていた。痛くなかったのだろうか?
辿々しい口調で説明する次郎。
「何よそれ……そんなに危険な仕事してたの……!?
いくら彩花が白浜組の倉庫を片付けたと言っても、それで仕事内容を理解したわけではない。次郎からは草を生やす仕事としか聞いていなかったため、愕然としていた。