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休憩後の出来事
山を降りて車に戻った次郎達を待っていたのは現場監督、いわゆる担当と呼ばれる者だった。
「ちょっと頭ぁー! 大丈夫なんですか!? 面倒は困りますよー!」
「文句言うんなら現場見てこいや。だらーっと下で待っちょるだけじゃのぉてのぉ?」
「いやー大丈夫ならいいんですけどぉー。あ、ちょっと他の現場行ってきますねぇ」
そう言ってこの現場を離れた担当。行き先はおそらくパチンコだろう。そして三時前にコーヒーを携えて戻ってくるのがいつもの行動だ。
弁当を食べ、しばしの休憩。やがて一時になり、午後の仕事が始まる。
次郎もみんなと共に上に登る。そして新たに取り直したロープに入ったところで次郎の身に異変が起きた。