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施工開始
作業は順調に進んでいく。金網を掛けるべき範囲、両翼はおよそ30メートル。横幅4メートルの網を9スパンに渡って張っていく。網と網が重なる部分が必要であるため、崖の横幅より多くの網が必要となるわけだ。
なお、この網の縦幅は5メートル。クレーンによって5メートル吊り上げられるごとに次の網を繋ぐことで40メートルの高さを稼いでいる。それだけもの重量の網を崖の上で待つ次郎達は受け取るのだ。当然人力で支えられるものではない。
すでに張った横のワイヤーと、縦に垂らされたワイヤーが頼りなのだ。
そうやって1回あたり1時間程度かけて作業は慎重に行われた。
そして昼を目前にした4回目。
それは起こった……