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  作者: 暮伊豆
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彩花の本心

次郎の思考が動き出したのは二十分後ぐらいだった。周囲には誰もおらず、倉庫前に彩花と二人きり。


思考は動き出しても体は動かない。あう……あっ……と声にならない声を発するのみである。


「次郎?」


問いかけられるも、次郎はどう返事をしていいのかさっぱり分からない。許すも許さないも、次郎には難しすぎて分からないのだ。


「分かってる……謝ったぐらいで許せるはず……ないよね……」


彩花にしては殊勝な言葉であろうか。


「次郎をさんざん弄んで……罪人のように追い出して……本当にごめんなさい……今さら遅いとは思うけど、お兄ちゃんに手紙を書くわ……あの時のことは次郎は何も悪くないって。悪いのは私……そして藤崎の家にはもう、戻らないって……」


ますます次郎には理解が及ばない話になってしまった。


「だからお願い! 私を、次郎のところに置いて! 私……次郎と一緒に……」


話は理解できなくても、お願いされると聞いてしまうのが次郎である。


「だめぇー!」


その声が聞こえたのは次郎が首を縦に振りかけた時だった。声の主はもちろん羽美である。そこらでじっと様子を窺っていたのだろうか。

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― 新着の感想 ―
[一言] 羽美ちゃん!頑張ってー。お願いしてみるのよ← そして次郎、なんだろう、ある意味、ワルイ男にしか見えないですのー(^o^)/
[良い点] むむむ、これは……! まさかまさかとは思っていたけれど、おのれ次郎……! 許すまじ……!(ハンケチを噛む)
[一言] なんと言うかこれはまあ。 なんつー天然タラシぶり。
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