表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: 暮伊豆
56/156

美砂と彩花

「ふぅん? なるほどね。実の兄にねぇ。そりゃ辛かったわね。」


「う、うん……」




「で? その程度の傷でいつまでガタガタ言う気なんだい?」


実の兄に性的虐待を受けたことを告白した彩花。その痛みを美砂に分かってもらえたと思った矢先の一言だった。


「えっ……だって……」


「次郎の傷を考えたことぁないんかぁ!」


あるはずがない。庭師をしていた頃の次郎を、奴隷としか見ていなかった彩花である。自分の言いなりになる都合のいい奴隷としか。


「あんた知ってんだろお! 次郎が! 頼まれたら! 何でも言うこと聞く性格だって! だからこっちもあんたらが次郎にした仕打ちぁ全部知ってんだよぉ! あいつぁ隠し事ができないからねぇ!」


「だ、だって……次郎は……私のことが好きで……だから、私、次郎に、なら……」


「ふざけんじゃないよ! いつまで大昔の話ぃしてんだい! それよりも! あんたぁこれからどうやって生きてくんだい!? なんなら藤崎家まで連れてってやろうか、あぁ?」


「そんな……やめて、それだけは……」


「ふぅん? 次郎はどんな頼みでも『やめて』って言わないだろうにねぇ。だろう?」


「た、たぶん……」


「藤崎家には帰りたくない? そこまでして次郎と一緒に居たいってのかい!? 大人しく帰りゃあ何不自由ない生活が待ってるってのに! そこまで次郎に惚れ込んでるたぁ思えないがねぇ? 男なら誰でもいいんだろぉが!」


「だって……次郎は……嘘をつかないから……」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
普段はこんなのを書いてます。
i00000
― 新着の感想 ―
[一言] いよいよ佳境ですかしら? dkwk
[一言] 次郎は「嘘をつかない」というより「嘘をつけない」んですよね。
[一言] ここが分水嶺やで彩花( ˘ω˘ )
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ