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  作者: 暮伊豆
41/156

灰かぶりの次郎

車内には四人、男女が二組乗っている。


「お前こんなとこに住んでたんかよ」

「何なに? こいつ知ってんのー?」

「おー、便利な奴だったぜ。なー次郎?」


そう言われても次郎はよく分からない。生返事をするだけだった。


「まーいいや、お前これ捨てとけ」


そう言って窓からゴミが投げつけられた、

受け取るのが間に合わず、地面に落ちた。拾おうとしゃがんだ次郎。


「おっとこれもなー」


その頭に煙草の灰と吸殻が降りかかる。


「じゃあなー」


うるさいほどの音を立てて車は発進した。彼らのお目当ての観光地、龍宮城は冬に行くものではない。

そこは岬のように海に突き出た断崖絶壁で『双龍の息吹』と呼ばれる自然現象で有名だ。海が荒れてくると、岩場を挟むように潮が天に向かって吹き上がる。二匹の龍が天に向かって咆哮をあげるかのように。その雄壮な様はかなり遠くからでも見えるほどだ。

当然それなりに風も強く、遠くで眺める分には問題ないが迂闊に近寄ると危ない。


現場に立入禁止などの注意書きはない。そのため次郎は、祖母から県外ナンバーの車が来たら注意してやるよう言われていた。

実際、中学の頃も高校の頃も休日に次郎が外で作業をしていると道を聞かれることが多々あった。その度に注意を促したものだ。


しかし、今回は何も言っていない。聞く前に奴らは出発したのだから。

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普段はこんなのを書いてます。
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― 新着の感想 ―
[一言] なんか、やなやつらですねぇ〜と思わせといて、からの〜漂うザマァ感……。うまいっすわぁ〜
[一言] このチャラ男どもがどうなろうと知ったこっちゃありませんが、このことで次郎の心に傷がまたできたら嫌だなぁ……。
[一言] シンデレラ次郎!! つまり最後は王子様と結ばれ……る!?
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