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  作者: 暮伊豆
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祖母、滝川百合子

翌日、祖母の入院しているという病院に行く次郎。手ぶらだ。


居た!


「それじゃろうがね? やっぱあんたんとこの孫ぁできがええほいね! うちのぁぼんくらでねぇ! おっ、噂をすれば! よお来たの次郎!」


元気そうな祖母の姿を見て安心する次郎。しかし、祖母の足首にはギプスが巻かれていた。何があったのか訊ねる次郎。


「ちーとコケただけっちゃ。どねぇもなーから来んでええいの。家ぇ帰ったら薪だけ割っちょってくれたらええけぇのぉ!」


「んまあ百合さんとこの孫ぉ? かわいい顔しとんねぇ!? 何歳? どこへ出てのぉ?」


どこへ出て、とは、どこで働いているのかという意味だ。だから白浜組だと答える次郎。隣の県であることは言いもしない。


「まあ白浜組? ともちゃんとこやね! ともちゃんも昔ゃあどーげんぼーずやったもんねぇ!」


同室の患者にともちゃんと言われても何のことか分からない次郎。どーげんぼーずがやんちゃな悪ガキだと言うことぐらいは分かるが。


「まあ次郎もどねぇこねぇ一人前になっちきたかのぉ……ともんとこならまあええわ。キツいが稼げるわのぉ。」


次郎の祖母、滝川百合子が嬉しそうに言う。女横綱と言われた巨体が小さく見えたのは次郎の気のせいに違いない。

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普段はこんなのを書いてます。
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― 新着の感想 ―
[良い点] 成人しても「ちゃん」付け。令和の御世ても、田舎あるあるですなぁ。
[一言] ばあちゃんは山口弁なんですね!w つまり次郎は山口出身!?
[良い点] 頭がともちゃん……!? 時の流れを感じます……! お祖母さん割かし元気そうで良かったです。 怪我ちゃんと治るといいですね!
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