三女、彩花
彩花の真意、何ほどのこともない。それはただの見栄だった。
友人達との会話で自分だけ男性経験がないことを自覚したのだ。この辺り一帯では知らぬ者なき藤崎家の三女なのだから、生半な男が近寄ってこないのは当然である。しかし彩花にはそれが分からない。
だからつい、見栄を張ってしまった。
自分は普通に男と付き合うのはもう飽きた。今は庭師の男を意のままに弄ぶことが面白いのだと。
そして会話の流れから、今度その男を凌辱する様を友人に見せることになってしまったのだ。次の週末、それまでに次郎を籠絡しておかねばならない。ろくに話したこともないが所詮は使用人、自分には逆らえないことぐらい予想はつく。
そして彩花の目論見通りファーストコンタクトは済んだ。予想以上に痛かったが、予想外の快楽を味わえることも分かった。これでもう次郎を自分の飼い犬として弄ぶことができるはずだ。週末までは四日ある。十分に間に合うだろう。楽しむこともできるだろう。
一方次郎は、仕事の最中などに彩花を見るだけで体が反応してしまっていた。それが何なのか次郎には分からない。ただ、再び彩花が自室に来てくれたらいいと思うのみだった。
そんな日の夕方、仕事を終えてみれば彩花が自室で待っているではないか。慌てて挨拶をしようとするも、やはり言葉にならない。
先日と同じような行為が繰り返される。いや、若干彩花の頼み事が多い気もするが次郎が気にすることもない。言われるがままに動くだけなのだから。そして彩花は次郎が自分の意のままに行動することを確信した。これでどんな端ないことでも命令できるとほくそ笑んでいた。どうやら彩花には使用人と奴隷の区別がついてないらしい。
そして来る週末。
あらかじめ次郎には休みを与えてある。
彩花の数少ない友人が藤崎家を訪れる。今日の舞台は次郎の自室、ではなく彩花の部屋である。次郎にとっては初めて立ち入る本宅、それも彩花の部屋である。嗅いだこともないような甘い匂いに包まれて、もうすでに夢心地だった。
そこに彩花の命令が下る。次郎には頼み事と命令の区別などつかない。頼まれたら行動するだけだ。それが犬のような扱いであろうとも。
数時間後。次郎は舌がつりそうになりながらも彩花の頼みに必死で応え続けていた。
彩花のみならず、その友人達にすら様々な頼み事をされ言われるがままに行動する次郎。甘く淫らな匂いに包まれていながらも、とっくに体力は限界に達していた。
それでも頼まれると断れない次郎は手を指を、舌を動かし続けていた。
数時間後。彩花や友人達は満足したようだった。特に友人達は口々に彩花のことを褒め称えていた。自分達にはできないことを容易くやってのける彩花を尊敬の目で見てすらいた。
今まで自分達は普通に男と付き合ってきただけ。男のなすがままに身を任せていただけなのに、彩花は違う。男を意のままに弄び、支配下に置いている。さすがは藤崎家の彩花嬢、進んでると称賛を惜しまなかった。
それだけでなく、自分達にも意のままになる男が欲しくなったのだが、次郎以外に心当たりがあるはずもなく悶々とするしかなかったのだ。
動けと言えばいつまでも動き、舐めろと言えばどんな汚い所でも舐め続ける次郎は彼女達が思い出しても体の芯が熱くなる献身ぶりだった。
聞けば住み込みの庭師と言うではないか。見た目も冴えない小男ではあるが、何でも言いなりになるペットとなれば話は別である。自分達だって藤崎家ほどではなくとも広い庭を持つそれなりの家柄。当然ながら庭の手入れは馴染みの庭師が行っている。ならば、たまには依頼先を変えて次郎を呼ぶこともできるのではないか。内心そのように目論んだ友人は何人いたことか。
その結果、当たり前のように問題が発生する。