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  作者: 暮伊豆
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次郎の失敗

ベルトコンベアー上の土を探ってカッターを探す二人。もしガンの内部に投入されてしまったならば探すことが困難になるのだろう。


「ちっ、ベルコンにぁねぇな。ガンに入っちまったか……」


「一応足元も見とけのぉ。次郎んとこものぉ。」


ガンさんに言われた隣の男は散らばっている次郎の周囲を探す。まずは袋を整理することからだ。乱雑に置かれた空袋が見る見る整理されていく。


「あったぁ! ガンさんあったでぇ!」


次郎の足元からカッターが見つかった。つまり、ベルトコンベアーには流れていなかったことになる。


「よっしゃ。やれやれやのぉ。おーいタナーさん! 問題ねぇーぞぉー! 動かすぜー!」


現場にいるのは四人。ベルトコンベアーを担当する次郎と隣の男。ガンを操作するガンさん。そしてガンから太いホースが繋がっているのだが、その先にタナーと呼ばれる男がいた。高圧で土を吐き出すために、酷く暴れるホースを制御しながら崖、法面に土を吹き付けていた。急斜面にロープでぶら下がりながら。



「おぉリンゾー、おめぇもーちぃと次郎の面倒見てやれやぁ? あいつ追いついてねぇわぁや!」


「おお悪い。よぉ見とくわぁ!」


明らかに次郎のミスで仕事を止めたのに、誰も次郎を責めることはない。彼らがお人好しなのか、それともこれが普通なのか。次郎には分からない。だが、カッターを失くした時はすぐ言えばいいということは分かった。


リンゾーと呼ばれる男から次郎へ段取りが説明される。本来なら仕事を始める前に言うべきなのだろうが、リアルタイムで行うのが白浜組のやり方なのだろうか。

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普段はこんなのを書いてます。
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― 新着の感想 ―
[一言] 全員なんとなく「ある」って察してるんでしょうかね 凄い…優しい世界
[良い点] 『次郎の失敗』まで拝読しました。 淡々と語られる中で物語に起伏があり、情景描写も解りやすく読みやすいです。 ここまで主人公の次郎のセリフが無かったように思いますが、 それでも彼の心情が伝…
[一言] お仕事はなんとかなりそうですが、もう羽美ちゃんの登場にはらはらしておりますよ。頼む、羽美ちゃん。次郎くんを破滅に追いやらないであげて(悲鳴)次郎くん、まっすぐで純粋やから……。
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