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刑事 黒田
黒さんと呼ばれる刑事は自分の机に戻り電話をかけ始めた。相手は……
「やあどうもどうも。万事上手くいってます。これなら問題なく刑務所行きですわ。あぁ、白田ですか? もちろん無傷ですとも。あいつは演技派ですなぁ」
上機嫌で話す刑事。
「ええ、分かってますとも。あいつが出世したら私も甘い汁を吸わせてもらいますから。キャリア様々ですなぁ。いつまでも現場の平刑事なんてやってられませんわ」
それでも周囲に人がいないかは確認しているようだ。
「まっ、何かあったら言ってくださいよ。私なら上手くやれますので。では先生、あの方にもよろしくお伝えくださいよ?」
そして電話を切った。
先生とは、あの方とはいったい……