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  作者: 暮伊豆
144/156

取り調べ室から出るのに次郎に手錠はされていない。もちろん腰紐もかけられていない。トイレに行きたいなどと思ってもない次郎だが、若い警部に小声で歩けと言われたために、素直に歩いてしまう。


「ええ、トイレはこちらですよ」


若い警部は時折わざとらしく声をあげる。まるで誰かに聞かせているかのように。

そうして次郎はトイレへと到着した。


「五分だけ待ちますので急いで出てきてくださいね」


そもそも便意などないのに。そんな次郎を個室へと押し込む。意味が分からない次郎。おろおろと狭い個室内を歩き回る。もちろん何の解決にもならない。

仕方なく出ようとするも、扉が外から押さえつけられているらしく開く気配はない。急げと言われたはずなのに閉じ込められた。もちろん次郎でなくとも理解できない状況だろう。

次郎にできることは……ドアをひたすら押すことだった。ドアの反対の壁に足をかけて力を込めれば、ドアがほんの少し動くことが分かった。


だから次郎は渾身の力を込めてドアを押した。


すると……ドアを押さえていたであろう若い警部は吹っ飛んで、壁に頭をぶつけた……


「おっ、お前! 何してやがる! さてはトイレに行くふりをして逃げる機会をうかがってたな! おいっ! しっかりしろ! 大丈夫か!」


タイミングのいいことに中年の刑事が来ている。


「誰かぁー! 来てくれぇー! 白田が大変だぁー!」


そう大声で叫んだ。


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普段はこんなのを書いてます。
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― 新着の感想 ―
しばらくぶりでしたが、その分ガッツリとまとめ読みさせていただきました! いやー、満足満足…………。 ………… いやいや、続きが気になりますっての!(笑) しっかし何と言いますか、良い人とクズが両極…
じろうがしんぱいになりすぎて、なんもいえなくなってきました……
何と卑劣な( ˘ω˘ )
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