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  作者: 暮伊豆
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偉丈夫の背中

「なあ次郎。お前にも故郷にお袋さんがいるよなぁ。たまには帰ってやってんのか?」


故郷? お袋さん? いきなり話が飛んだためか、やはり次郎には理解できていない。うっすらと祖母の顔が頭をよぎったぐらいだろう。


「お袋さんを悲しませるような真似なんてするもんじゃないよなぁ。やっぱ人間はお天道様の下を胸張って歩かないとなぁ?」


お天道様が太陽ということぐらいは次郎にも分かる。それが胸を張って歩くこととどう関係あるかは分からない。ただ、なぜか次郎の脳内にあの時の(かしら)の背中が思い浮かんだ。初めて会った次郎を拾い、線路を堂々と歩くあの偉丈夫、白浜倶天(ともたか)の後ろ姿が。

そうするともう一つ思い出したことがある。彼の言葉、何かあればすぐ電話しろ、ということだ。

キョロキョロと電話を探す次郎。もちろんそんなものがあるはずもない。


「どうした? 困ったことがあるなら言ってみな。力になるぞ?」


軟禁しておいて、力になるも何もないだろうに。

そんな中年刑事の言葉など耳に入らないのだろう。次郎はふらふらと広くもない室内を歩き回っている。電話を探しているのだろう。


「黒さん、お待たせしました!」


若い警部が戻ってきたのはそんな時だった。

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普段はこんなのを書いてます。
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― 新着の感想 ―
おばあちゃんを思い出すの泣ける(´;ω;`)ブワッ 次郎、助けてくれた人のことを覚えていたんですね。 若い警部、仕事して!いやぁ、つづきが気になります!
ここで頭の背中が浮かぶの泣ける( ˘ω˘ )
ぬー、どうしてこうなった!? ここから次郎の逆転なるか。 というか誰か助けて!!!
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