表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: 暮伊豆
126/156

姉妹愛憎

「おう! お前外に出てろ! 救急車が来るから道で待っとけ!」


隣人に言われた次郎は、はっとしたように慌てて外に出た。


「あはははは! もう遅いって! こんなに深く刺さってるんだから!」


「やだやだやだやだやだ! 死んじゃうよ痛いよ! 抜いてよお! 血が出てるよお痛いよおおおおお!」


「うるせえんじゃあ! ええから黙っとけやあ!」


隣人はそう言い放って座り込んだ。


「そんで? なんで刺したなぁ? あいつがこの姉ちゃん連れ込みでもしたんかぁ? あの兄ちゃんかわいい顔してやるもんじゃのぉ?」


「違う! こいつが! 勝手に押しかけてきて! 次郎の料理をゴミって言ったからだよ! すっごく疲れて帰ってきたのに! それでも作ってくれたのに!」


「ほうかよ。別にどうでもええけどの。とりあえずこの姉ちゃんが死んだらお前懲役十五年はくらうのぉ。ええんかあ?」


「ひっ! やだやだやだやだ! 死にたくないよぉ! 痛いのに! 痛いよお! 助けてよお!」


莉奈は床にごろりと転がっている。しかし、床が血まみれ……なんてことはない。


「いい。これ以上次郎に迷惑かけるぐらいなら……私もこいつも…………消えた方がいい!」


「ほぉう? あの兄ちゃん次郎って言うたのぉ。そんなに迷惑かけちょんかぁ?」


「かなり……」


「どうでもいいから! 早くしてよ! 痛いって言ってんじゃん! 助けてよぉ! 死にたくないよお!」


「ええかげん黙れや。でねぇと助かるもんも助からんでえ? 別に俺ぁどねぇでもええけどのお?」


隣人には莉奈がやけに元気そうに見えている。痛がる割に出血は少なく、包丁も半分ぐらいしか刺さっていないのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
普段はこんなのを書いてます。
i00000
― 新着の感想 ―
[良い点] お隣さんが冷静すぎますね(笑) でもって、莉奈は大怪我には違いないけど致命傷って程でもなかったり?
[良い点] 彩花の本音が聞けて嬉しいです!
[一言] あまり刺さってない?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ