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莉奈の暴虐
「いつまで待たせるのよ!」
風呂は数分で沸くものではない。しかし、莉奈にとっては違うのだろう。自分が入りたいと思ったらいつでも暖かい湯があるのが当たり前なのだろう。
「ったく……狭いし臭いし! あんたよくこんな豚小屋で暮らしてられるわね?」
「住めば都だから……」
彩花は消えいるような声で応えた。
「何それ? もしかして次郎にきっちりイカれちゃったの!? ふぅーん? 確かに小柄で中性的、ファニーで整った顔してるし? やりたい放題やるには向いた相手よねぇ?」
「ち、違うし……そんなんじゃ……」
「違うの? じゃ私が次郎と遊んでもいいのぉ? いいよね。まさか童貞ってわけでもあるまいし」
「だ、だめ! 絶対だめだから!」
思わず大声を出してしまった彩花。まぎれもない本音なのだろう。
何事かと浴室から出てきた次郎。きょとんと不思議そうな顔をしている。




