表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: 暮伊豆
103/156

戻れない道

血が止まらない。健二のナイフはただのナイフではない。日本刀と同じ製法で鍛えられた特注のナイフなのだ。健二は賢一のそれがずっと羨ましかった。だから高校入学の祝いに何が欲しいかと聞かれた時、賢一にねだって手に入れた逸品だった。


そのナイフが今、賢一の腹を突き刺して……すぐに引き抜かれた。


「ぐっ、がはっ、け、健二……お前……」


「このまま兄さんが死ねば俺が後継ぎだ。そしたら警察に捕まることもない。安心して死ね」


「ば、馬鹿が……お前ごときが、がはっ、一朗を相手に……」


「うるせぇよ。ついでだから瀧川家も潰してやるよ。四家族を統合すれば面倒もないだろ」


確かにその通りだ。それが実現できるならばの話だが。


「や、やめろ……一朗に手を……出すな……」


「うるせぇよ。そろそろ死ね。一朗のライバルと言われたあんたがその様じゃあクソ一朗も大したことないな」


「ま、待て健っじっいぼぉ……」


喉を切り裂かれた賢一。そのまま声を発することなく、事切れた……


「くくく、なんだ簡単じゃないか。始めからこうすればよかったのか。これで藤崎家の跡目は俺のもんだ。待ってろよ彩花……近いうちに迎えに行くからな……」


血が滴るナイフをギラギラとした目で見つめる健二は……誰がどう見ても正気ではなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
普段はこんなのを書いてます。
i00000
― 新着の感想 ―
[良い点] うわ、健二どうしようもねえ! こりゃざまあ展開の前に面倒くさい 展開になりそうですね。 頼むぞ、一郎さん! この外道に正義の制裁を与えてくれ!!
[良い点]  レビュー書いたので、活動報告を書こうとしたら、感想になったので、ここで、失礼いたします。ここまでの感想です。長いです。ごめんなさい!  傷はいせきんを初め、テンポの良いファンタジーを書…
[一言] うっわぁぁぁあ! やりやがったぁぁぁあ! 劣等感を拗らせると怖いですね。 そして兄貴から貰ったナイフで…… なんという皮肉……!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ