3話会話は突然
如月丞一郎 30歳男 彼女なし。
顔面偏差値中の下、背は178㎝とまあまあ高い方。体型 普通。
趣味 車、機械いじり。
父・母・兄・俺・妹の5人家族。あと猫のオコメさん1匹
特筆するものがないくらい普通だった、俺の人生。
毎日真面目に仕事して一人でドライブ行ったり、
(たまに神田がオプションに付いてくる。コ〇トコ行きてえとか、軽いアッシー代わり)
たまにTVゲームして、VRゲームは加齢による身体の衰えを痛感しながらも人並に遊んでいた。
だが、俺にもちょっと人とは違う個性がこの歳になって出てきた。
性別逆転
世の男子よ。一つ先輩がアドバイスをくれてやろう。
今いる相棒(下)を大切にするが良い以上。
・
・・
・・・
・・・・ってええええ!!
違うわ!!
おかしいだろ!性別変わってるとか、顔変わってるとか!てかココ何処だよ!
なんで森に居んのよ!むしろ真っ先に気が付くべきだったわ。
一人で百面相していると、ふと視線を感じる。
振り向くとライオンズが座って待ってる(可愛いかよ)
(違う、こいつらじゃない・・・なんだこの感じ)
ふと顔上げて周りを見渡していると、ほわほわとした淡い光が無数に浮かんでいた。
(辺りが明るいのはこれが発光してるからなのか・・・?)
「・・・・ん?」
森のかすかに向こうから視線を感じた。
「なぁ!!誰かいんのか?俺ちょっと迷っちまったみたいなんだ!」
・・・・
・・・シーン
つ、辛すぎるっ!!!
「なぁ頼むよ!!誰かココ何処なのか教えてくれないか?」
ガサッ
「あ!!・・・・俺、如月丞い・・ち・・・・ろぉ・・」
鹿だ・・・
あれ鹿だよな?・・・・後ろライオンいるけど大丈夫か?逃げた方が良いぞ。
俺の心配をよそに鹿はこちらに向かってくる。
思わず後ろのライオンズを見たが、鎮座したままなので一先ずは大丈夫そうだ。
目の前でお食事タイムだけは勘弁だったが、良かった良かった。
「あー・・・よ、よろしくな?・・・」
スンスン。ツン。
動物界のご挨拶は顔に鼻つんは共通事項なのか。
なでなで
「まじでここ何処なんだ」
なでなで
「ニケーアルト公国のクアルト大森林よ」
「え?何ミケ…?ネコかよ・・・・って誰!?」
どーん!
「きゃあぁぁぁぁぁあああああああ」
「ちょっ、な、何よ!!聞くから答えただけじゃない!」
声が聞こえた方に顔を向けると、羽が生えた小さい女の子が飛んでいた。
「ば、バケモノ!!『妖精よ!!!』・・よ、妖精?!妖精なのか?!」
ずずいっと俺の顔ドアップに自称妖精が。
近い近い、近すぎて焦点定まらん!
今まで何処いたんだよ。鹿さんも驚いてるわ。
「ずっとあなたの横に居たわよ!!失礼ね!ねえ、ところであなた人間よね?人間よね!」
どうやら声に出ていたらしい。
「人間よねって・・・そりゃ人だけど、こっちからしたら妖精のが驚きだよ」
「何言ってるのあなた。人間は300年以上前に絶滅したもの」
ほわっつ?????
絶滅・・・え絶滅・・・・いないの?!人間が?!!!!
「なんで!」
「なんでって350年前にシュバルツ大陸全域に起こった地核変異で発生した、魔素の急激増加に耐えられなくて50年で滅んだのよ」
しゅ、シュバ?魔素?・・変・・ちょっと待て情報が思っていた以上に多すぎる。
「じゃ、じゃあ人間以外は何がいるんだ?」
「大きく分けて半獣半人の獣人族、長寿族、精霊、魔族よ。昔はこの中に人間が含まれていたわ!」
あーはい。
なるほど・・・RPGの世界か何かで、人間は早い段階で消えたと。
「お前さんはどの種族にあたるんだ?妖精なんだろ?」
「お前じゃないわよ!あたしの名前はリル!!!・・・・まぁ良いけど。妖精は精霊の眷属なの」
「あ、そういや・・俺は今はこんなナリだが如月丞一郎。よろしくなリル」
「キサラ‥ギ…?変な名前ねあなた」
(失礼はお前だよ)
まぁ確かに、美少女顔に男の名前くっついてるんだから、そりゃ変か。
「まぁ、フルネームは覚えづらいだろ。ん~キサラで行くか、短いし何となく女でも通用しそうな名前だしな」
「女の子じゃないの・・・?ねえねえ、何歳なの?なんで獅子王と一緒にいるの?どこから来たの?なんで服着てないの?なんで・・◇@※!!!・・・!!!!!!・・」
多い多い質問が多すぎる、最後の方はもう聞き取るのを諦めた。
「獅子王って誰だよ」
「あなたの後ろにいるじゃない。金色の獅子。大地を司る精霊の一角を担う獅子王よ」
え。
精霊って言ったか?
「‥まじ?」
「本人から聞かなかったの?」
てか話せるんかい!!!!!
バッ
後ろに座っている獅子王を見る。
少し申し訳なさそうに下を向き、チラチラ俺を見ながら
『話しかけたら怖がるかと思って…』
精霊可愛いかよっ!!!!!!