魔女集会で会いましょう〜オッドアイの少年〜
♀1×♂1×不問1 (もしくは兼ね役)約8分
○魔女(♀)○
小さな村のそばにある広大な森の奥で暮らしている。
使い魔は黒烏。
人の噂では人の血肉を好む残虐な魔女として恐れられているが、実際は好奇心旺盛で面白いことが大好物。
食べ物は野いちごや葡萄を好み、自家製ワインが特に好き。
○使い魔(不問)○
魔女に仕えている黒烏
楽天家で不真面目なところはたまに傷だが
魔女の言いつけはしっかりと守る。
○少年(♂)○
森の近くの村に住んでいたと思われる少年。
右眼は紫、左眼は緑のオッドアイ。
自覚は無いが不思議な魔力を秘めている。
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魔女『人の世界が知りたくてこの森に住み始めて50年
人の世は目まぐるしく変わっていく』
使い魔「魔女様ー!魔女様ー!」
魔女 「なんだい?騒がしいねぇ」
使い魔「森に侵入者です!侵入者!」
魔女 「ふぅん?珍しいねぇ。ここ数年、近く者などいなかったのにねぇ」
使い魔「不思議な力!不思議な力持った人間です!」
魔女 「不思議な力、ね。どの種族だい?」
使い魔「調査中!調査中です!」
魔女 「この時代に人に紛れて生きている種族なんて面白いじゃないか」
使い魔「調査結果、人間、に極めて近い何か、です!」
魔女 「ますます面白い。どれ、見物に行くとしようか。案内しな。」
使い魔「了解!了解しました!」
【森の中】
⚠︎噛み合わない会話をしてください。
使い魔「侵入者!侵入者!」
少年 「煩い烏だな!あっち行けよ!」
使い魔「魔女様!魔女様!」
少年 「なんなんだよここは!う、うわっ?!」
魔女 「ふぅん、本当に人間だねぇ。おや?珍しい眼をしているね。捨て子かい?」
少年 「寄るな!くそっ!離せよ!お前が魔女なんだろ!」
魔女 「おや?言葉が違うんだねぇ…さて、どうしようか」
少年 「殺せよ!どうせ俺は誰にも必要とされてないんだ!魔女は人を食うんだろ!」
魔女 「ふーむ…とにかくその汚い格好をどうにかしないとね」
少年 「何言ってるかわかんねぇよ!くそっ!離せっ!」
使い魔「拾う?魔女様、拾う?」
魔女 「そうだねぇ…瞳の色を見る限り、どこかで覚えがあるんだけどねぇ。」
使い魔「紫の瞳!緑の瞳!宝石!宝石の瞳!」
少年 「くそっ!この烏もお前の仲間かっ!」
魔女 「さぁ、お前達、この子をうちまで運んでおくれ」
使い魔「了解、了解しました!」
少年 「う、うわぁぁぁぁっ!」
【魔女の家】
少年 「森の中に、家があるなんて」
魔女 「おや?急に大人しくなったね。空の旅が余程頭を冷やしたと見える」
少年 「む?何笑ってんだよ!」
魔女 「あぁ、そうだった。まず言葉をなんとかしないとね。それっ」
(魔法を使うと一瞬、2人を暖かい光が包んだ)
少年 「な、なんだこれ」
魔女 「これでやっと会話が出来る」
少年 「え?あっ…」
魔女 「さて、まずはあの森にいた訳を聞きたい所だけれどまずは外の川で汚れを落としておいで」
使い魔「案内!案内する!」
少年 「烏が、喋った?!」
魔女 「おや?これは面白いねぇ。まぁ、とにかく行っておいで」
少年 「これで、いいか?」
魔女 「おや、見違えるように綺麗になったね」
少年 「…」
魔女 「さぁ、この布を使って身体を拭くといい。その部屋に服を用意しているから好きなものを選びな」
少年 「着替えた、けど…」
魔女 「ふぅん、金の髪に宝石の瞳、服も整えればどこぞの王子のようだねぇ」
少年 「?!」
魔女 「あれはいつの頃だったか。この国のある王が全ての種の血筋を兼ね備えれば王族は絶対的存在になれるといって異種狩りという名の嫁探しをしていてね」
少年 「…」
魔女 「その結果、王は様々な種族の娘と子をなしたそうだ。そしてさらにその子には母親とは別の種族の妃を与えて子をなした。」
少年 「それは…」
魔女 「その結果、混ざりすぎた血は様々な不幸を呼んだ。魔力が高すぎる子は一年とせずに命を落とし、赤子の頃に異変がなくとも歳を重ね暴走する者もいた」
少年 「俺は…」
魔女 「人の噂で、異種との交わりは取りやめられたと聞いたけれど」
少年 「俺は…産まれてすぐに森の外にある村に捨てられた。赤子の頃はブロンドの髪と碧眼で村の人達と何も変わらなかったから村の人達は自分の子供のように育ててくれた」
魔女 「それで?」
少年 「3つの時、村の子供と遊んでいたら川で溺れかけて…どうやったかなんて覚えていないけど1人になった間に川の水が割れて…その間に岸に登って助かったんだ」
魔女 「ほう、それは面白い」
少年 「面白いことなんかない!助けにきた大人は怯えた顔をしていた!それから村の奴らは俺を呪われている!忌子だってっ!結局この森に捨てたんだ!」
魔女 「捨てられた、なるほど。ならば、今日からここに住むといい」
少年 「え?」
使い魔「一緒!一緒!」
魔女 「ちょうど退屈していたところだったのさ。そういえば自己紹介をしていなかったね。私はミラと呼ばれている」
少年 「…俺は、ルシア」
魔女 「ほう、良い名だ。」
少年 『そう言って笑った彼女は村で恐れられていた魔女とは違い、随分と人間味溢れる人だった。特に行くあてもなかった俺はその日から魔女との暮らしが始まった。』
魔女『人の命は儚く短いもの。例え人以外の血が混ざっていようとも私のような魔女に比べればきっと短いだろう。わかってはいるのに、な』
魔女 「あれから20年、人の成長は早いものだねぇ」
少年 「母さんはあの頃と変わらないね。綺麗なままだ」
魔女 「お世辞を言っても何もあげないよ?」
少年 「本当のことだよ。」
魔女 「お前が紫と緑の眼をしてなきゃとっくの昔に食ってやったのに」
少年 「あはは、じゃー食べられないように頑張って美味いもの作るよ」
魔女 「拾った頃には考えもつかなかったことだ。ルシアが料理をつくって、魔法まで覚えるなんてね」
少年 「母さんのおかげだよ。そういえば母さん、今夜は魔女集会なんだっけ?」
魔女 「あぁ、そうだよ」
少年 「僕も連れて行ってくれないかな?」
魔女 「そうだねぇ、、、」
少年 『僕の中には人の血が流れている。だから母さんと違って不老不死ではないだろう。けれど、魔女集会に行けばその方法が見つかるかもしれないから』
魔女 『短い生の思い出に連れて行くのも悪くはないか…』
魔女 「たまにはお前と2人で遠くに出掛けるのもいいかもしれないね」
少年 「それじゃ…」
魔女 「ふふふ…さて、魔女集会に行くとしようか」