探り[1]【6ページ】
めっちゃ遅れましたほんとに申し訳ございません
何処からか声が聞こえた。
「えっ、今の声誰?紅梨ちゃん?」
「いっ、いえ違います…。」
「じゃあ今のはなんなの?黒瀬くん何か知ってる?」
いや知ってるも何も…なんて言えばいいんだろ…うーん…。
「なんですかー?起きたらなんか触られてるんですけどー。止めてもらえますー?」
どう考えても神器から聞こえて来る声
「「なんで神器が喋ってるの!!ですか!!」」
そりゃ驚くだろうなぁ…喋る訳もないしその前に、生きてもいない物がいきなりは喋り出すからな。
どう説明すれば納得してくれるだろうか。
「えーっと。なんて言うか…神器に魂込めてるんだよ」
「「……は?」」
桜さんのは良いとして、良くはないけど。
双葉さんの方はお淑やかで敬語を使っていたのに、ストレートに「は?」はキツい………。
「いや本当何だって」
「でも、神器から声が聴こえるし」
良かった。信じてくれた。
どう説得しようか考えてたけどそんな事しなくても良かったか。
「それじゃ、クク。自己紹介してくれ」
「ほーい分かりましたー、僕の名前はククと言いまーす。種族は憑き霊でーす。男で一応人型になれまーす」
「っとゆう訳だ。何かククに質問とかある?」
「えっと、じゃあ黒瀬くんとククさんはどういう関係なんですか?」
関係か。そういえばどういう関係だっけな。
「えーっと、主人と部下的な関係ですー」
「でっ他に───」
「あっ!ヤバっもうちょっとでチャイム早く戻らないと!」
マジで、と思い時計を見てみると…3分前ヤバい!
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一応授業に間に合ったがあれだな。デジャブだな。
視線が痛い
予想は出来てたよ!!こうなる事は!!
〈まぁまぁ落ち着いて下さいよー。主人ー〉
因みに、ククとはいつも『念話』で話している。
はぁ、そろそろ慣れたい所だ。
〈でも…何故なんですか?〉
ん?何がだ?
〈何故、あの女を助けようとしたんですか?ほっとけばいいじゃないですか〉
えーっと。なんて言うか…可愛いから?
〈なんですかその答え。発情期ですか?〉
殺すぞ。
〈サーセン〉
まぁ真面目に答えると人間じゃ無い気配を感じた。
〈気配ですか…ちなみに、あの女…えーと〉
双葉 紅梨な
〈その双葉の能力はなんですか?〉
んー。双葉さんが呟いた事だけだと、双葉さんは未覚醒だ。
〈んむーハッキリしませんねえ…あっ、こういう時は!〉
どうした、何か思い付いたのか?
〈あいつに聞けばいいんですよ〉
あいつ?誰かいたか?
〈あいつですよ!浮気性の〉
(※この小説内のゼウスは浮気性)
ゼウスか!そういえばこの学園の理事長だったな。そいつに聞くのか。
〜♪
丁度授業が終わった。全然内容聞いてなかったけど。
さてと、ゼウスの所行くか。
そして俺は重大な事に気づいた。
場所知らねぇ
〈馬鹿ですか。場所は双葉に聞けばいいじゃないですか〉
あっ、そっか。あっいや知ってたよ!ククを試したんだよ!
〈いや今「あっ、そっか」って言ってましたよ。言い訳にも程がありますよ〉
「あの双葉さん?」
「えっ?なんですか黒瀬くん?」
「この学園の理事長って何処にいるの?」
「知ってるけど…」
少し双葉は不安げに言った。
「何故、そうな不安げなの?」
俺は気になり、その理由を聞いた。
「あの部屋を通ると何故だか分からなんだけど魔素濃度が格段に上がるの…そのせいで気絶してしまった生徒も大勢居るし…」
〈うわっ…アイツ魔素垂れ流しかよ…引くわー…〉
垂れ流しとか言うなもっとオブラートに包めよ。どうしようか…なんか策は無いかクク。
〈魔素から身を守るのならば、厚い魔素壁を作れば大分和らぎますよー〉
それだ!
「俺が、魔素の壁を作るから案内してくれないか?」
「多分大丈夫だと思うけど…分かった付いて来て」