転校 [3]【3ページ】
2年A組はここかな?
「やぁ転校生君」
美桜先生だった。えっなに?先回りして来たの?
「美桜先生何でここに……」
「私はここの担任だからね。さぁ入って入って~」
強引だなぁ。中に入って生徒達が小さい声なんか喋っていた。聞き取れたのは「くそっ、男かよ」「男だ」などの声だった。
「はい!静かに!さっ転校生君自己紹介して」
おぉ先生だ…おっと自己紹介自己紹介
「初めまして黒瀬 蓮と申します。宜しくお願いします。」
自己紹介する程の経歴無いからこれで良いか。
尚、生徒達は。「(いやっ、短っ!!)」の一言だった。
「蓮くんの席はあの子の隣ね」
先生が指を指した所はなんと今日ぶつかってしまった女の子だった。いや展開がラブコメのそれだよな。そして授業が始まった。転校生あるあるで何人か此方を向いてくる人が居る。特に男子の目が怖かった。
「(なんで俺が憎まれるんだよ!!そっちがかってに女子って決めつけたんだろ!?俺なんも悪くないよ?とばっちりだよ!!)」
〜♪
やっと授業が終わったー!!とやっと、男子の目から解放されると思いに浸っていた中、隣の子が話しかけてきた。
「君って、今日ぶつかっちゃった子だよね?」
「そうだけど?何か?」
「あの時はゴメンね私ドジで、ちゃんと謝りたかったんだ」
「大丈夫だよ、気にしてないから」
「えー本当?何処か傷付いて無い~?」
「本当に大丈夫だよってどうしたの?」
喋ってる最中に教室に怒鳴り声が響き渡った。その声を聞いた子は、ビクビクと体を震わせていた。
「おいっ!俺の女に気安く喋ってんだぁ!?」
その男は、身長が2m前後もあり、オールバックで顔が物凄く怖い。「俺の女」って言ってるって事は付き合ってるのか…それにしても怯えすぎだよな。無理矢理付き合ってる可能性もあるし庇った方がいいよな。
「おいやめろよこの子怯えてんじゃねぇか」
「あぁ?俺にそんな口を聞いていいんか?俺は貴族だぞ!お前ら愚民とは違うんだよ!!」
あぁー面倒臭いタイプだこいつ、自分の立場を利用して他人を軽蔑する奴、こういう奴はお灸を据えないとな。たしか父さんから聞いた限り、「言葉で分からなかったら実力行使だそれがあの学園のルールだ。あっ、闘技場以外の場所での暴力は厳禁だぞ」と言っていたからな。よしっ、勝てるかわから無いけど、勝負を挑んでみるか。
「じゃあ立場がどっちが上かハッキリさせてやろう俺が勝ったら一生この子に近ずくな!」
「ハッ!俺に勝負を挑んだ事後悔させてやるよ!」
そうして奴は去っていった。
「もう大丈夫だよ」
俺はそう言い女の子の頭を撫でた。相当怖かったんだろう。
「ありがとう…」
「えっとまず、君の名前は?」
「私の名前は双葉紅梨。双葉って呼んで」
「分かった、双葉さんはあいつとどんな関係なの?」
まずそこから分からないと話にならないからな
「彼はアトラル、炎の国の貴族」
炎の国かたしかヘパイストスが造った国だよな。沢山の名のある鍛冶師が集う国で有名だな。
「抵抗はしなかったのか」
「しないじゃない、できなかった。覚醒してないから、元々私は捨て子で恩もあるから」
えっ、してない?確か異世界から来た者は、能力を使う条件が必要でその条件が達成する事が「覚醒」だが現実世界の人間はその条件は無いはずなのに…その上捨て子…。あーやめだやめ!今は目の前で起きている事に専念しよう。
「でも大丈夫なの?アトラルはこの学園で一二を争う程の実力を持ってるんだよ」
「大丈夫さ!俺が勝って双葉さんを助ける!」
「…ありがとう」
双葉さん頬を少し赤くして嬉しそうに言った。
「一応決闘の事、先生に言った方がいいかな?」
「うーん念の為言った方がいいかな」
なるほど。先生か…やっぱ美桜先生だよな
────────────────────────
「なるほどね、要件は分かった。次の授業は特別授業だな、これで少し休めれる~」
「ありがとうございます。要件を承諾して頂いて」
良かった〜これで駄目とか言われたら元も子もないよ。
「別にいいんだよ、しかもここの先生達は決闘を申し出すのは本望だからね。それと敬語とかはいいよ堅苦しいのは苦手だからね」
「そうですか。わかっ…た」
う〜ん、いきなりはやりずらいな。少しずつ慣れていくか。
アトラル…首を洗って待ってろよ、必ずしも勝ってやるからな。
気づいたら、案外長くなっていました