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四話 遠矢、車を手に入れる。

大学は存在しません。

ポンポン山は存在します( ˘ω˘ )


さて忙しくなった。

ここから大学までは車でも四十分はかかる。

普通に通れたらの話だが…


「大きい車が欲しいな。」


俺はマンションから見える範囲で、

よさそうな車がないか先に探してあたりをつける。

贅沢言うとクロカンが。無ければSUV車。

四トンダンプなんか良いんだがこの辺りじゃ無理か。


「あの辺りの車を調べるか。」


マンションから三百メートルぐらい離れた、

月極駐車場を第一候補として探索する事にする。

第二候補はあの先のスーパーにするか。


「すぐに見つかるとは思えないが勢いで今日中みたいなレスしたからなぁ…」


俺は頭を振って気持ちを切り替えた。


「駄目なら駄目で見捨てるのも已む無し!」


愛唯(メイ)達が聞いたら発狂しそうな事を呟きながら出掛ける準備を終わらす。


「お腹減ってると言ってたな…」


取り敢えず軽く食える物とスポーツドリンクを人数分リュックに入れる。

バットと柳刃包丁を持ちマンションから出る。


「帰って来れるかな…」


俺は呟くと身を隠しながら移動した。


駐車場に行く途中にも数台、車が放置されてたが、

軽自動車やスポーツ車なので外から中を見るだけで放置した。

コソコソ隠れながら移動、

キョロキョロしながら移動を続けていると駐車場に着いた。

一列十台置ける場所が十列並んでいる長方形の広い駐車場で、

今は四割ぐらいの車が所々に停まっている。


「さて目当ての車は七台ほどか…」


四十台中七台…まだ候補があるだけマシと思おう。

しかしそこそこ歩いているな…八体か…


「どうする?…いつかは通る道だ。やるか!」


俺は柳葉包丁を見下ろして覚悟を決める。

そこで伯父の言葉を思い出す。

出来るだけ素早く静かに確実に冷静さを失わず。

本当に今の世界を伯父は望んでたんだなぁ…

と、思わず気を抜きかけたが気合を入れる。心の中で…


車の影に隠れて移動しながら一体一体を確実に始末していく。

その合間に目星を付けてた車を調べる。

調べるといっても鍵が開いているかと鍵があるかだけだが。


八体目を始末して四台目の車を調べようと近付くと、

運転席が開け放たれてて側に死体があった。

すぐに近寄らず周囲の窓から中を見てゾンビが入り込んでいないか確認をする。

中には入り込んでいないな。

死体に近寄る。

近寄った音で死体が動き出したが予想してたので、

素早く後頭部に包丁を突き刺し止めをさす。

開いているドアから中を覗くと運転席に鍵があった。

今止めをさした死体が持ってたのだろう。

俺は振り向き死体に手を合わせ心の中で祈り言葉を思い浮かべた。


「この車は大事に使わせて貰います。」


俺は車に乗り込み燃料ゲージを見て八割方入っているのを確認。

ドアを閉めロックをしてもう一度車の中を調べる。

ゾンビが隠れている事もなく安心してスマホを取り出す。

リアルタイムチャットを起動して書き込む。


{こちら無事に車をゲット。最短で四十分ぐらいでそちらに着く。

そちらの脱出経路と行動方法を書き込んでくれ。

こちらの次の書き込みは二十分後だ。}


さて出発するか。

車を大学がある山の方向に進める。


大学の位置は、大阪高槻市のポンポン山の西南にある。

建設当時はかなり抗議や苦情があったが、国も入って周辺地域に迷惑にならないよう、慎重に工事を進め三年前に完成。

最新設備で建物屋上には太陽光発電や小型風力発電を完備。

生徒の自主性を重んじる自由な校風で全国でも指折りの人気校になった。

各百人が入れる男女別の寮もありサークルも充実している大学だ。

楽しい学生生活だったなぁ…

正確にはサークル活動の色々な別事だが。


府道67号線から府道6号線に右折する。

偶に放置車両や事故車両が片道封鎖している所があるが、

完全に封じられてる道はない。

順調に名神高速の下まで来た。

見通しの良い所に車を停めアプリを起動する。


{サークル棟の裏側でガラス窓を落としたりして誘き寄せて正面から出る予定。

サークル棟の玄関まで来れる?}


{今、名神高速高架下。そちらで見た感じ、通れそうか?

車はエクストレイルだ。俺達が取った第二外国語の教授が乗ってた車だ。}


すぐに返事があった。


{大丈夫。その車が通れるぐらいの広さはある。

矢は百本ぐらいで良い?思ったより残ってなかった。}


{あるだけで良い。車に乗り込む時、三人バラバラで何処に乗るか決めておいてくれよ。

乗る時に時間かけない様に。}


{わかった。}


{では無事住宅街を抜けれる様に祈っててくれ。順調ならあと二十分以内に着く。}


{ごめんね。無理をさして。}


{気にするな。俺が勝手にしてるんだから。十五分経ったら行動を開始しろ。

ではお互い無事に出会えるように。}


俺はスマホを仕舞うと車を発進させた。








基本、一話は二千文字前後の予定です。

長くなる場合は前書きにかきます。

次は裏水中花が十五日ぐらいで、

この続きは月末、または来月十日ぐらいです。



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