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十話 遠矢 駐屯地の状況を知る2


大型ヘリが駐屯地から飛び立ち、数分のタイムラグで違う大型ヘリが駐屯地に下りる。


風雨が当たらない場所に寝床を作っていると、途切れる事なく大型ヘリが駐屯地に下り、飛び立ちを繰り返ししている。

しかし飛び立つヘリは飛んでいく方角がバラバラだ。


この状況はやはり…


風雨を受けない場所に寝床を作り、こっそりと駐屯地が見える位置に行く。

銃撃が散発的に続いているし砲撃音や爆発音も聞えている。

再びそ~と府道201号線を見下ろすと先程以上にゾンビが集まっていた。

勿論、銃撃砲撃で吹き飛ばされてバラバラになった死体の上を闊歩している。

そして見える範囲で駐屯地内のトラックの数が明らかに減っている。


むう…やはり放棄か…避難していた民間人や家族を先に逃がしているみたいだな。

しかしチャンスだ。銃撃音でゾンビ達を招き寄せていてくれるのでそこそこ安全に店内探索が出来る。

俺は素早く店内に潜り込み、物資補給することにする。



@@@@@



流石に一階まで下りる訳には往かず食料品は集める事は出来なかったが、大きなボストンバッグとキャンピングリュックを手に入れ、ボストンバッグにキャンピング用品、特にガスボンベ多数とトーチ、調理器具、寝袋と小さいテントを詰めて屋上に撤収する。

数体だけの遭遇だったので全部始末して安全に探索出来たのは良かった。

店内にはまだまだ多数居たが、殆ど府道側の壁際に集まっていた。


駐屯地からの散発的な銃撃音はまだ続いているが、回数は減ってきている。

俺は寝床に戻り軽い食事を取るとすぐに寝る事にする。



@@@@@



数時間ほど寝た感じぐらいで爆発音に起こされた。

時間を確認すると午前四時を過ぎたところだった。

東方面の空を見る。

稲荷山を超え遥か東の空を。

淡い藍色が混じってきている済み切った空が見える。

あと一時間もしないうちに日が昇るだろう。

鞄を引き寄せ携帯食を出し食いながら駐屯地を見に行く。

府道を見下ろす位置にきて下を見るがまだ暗くて良くは見えない。

しかしかなりの数が蠢いているのが雰囲気で分かる。


う~ん…もう少し明るくなるまで待つか。


駐屯地内に目を向けながら考えていると駐屯地内でも銃撃が響き出した。


なんだ?と思う暇もなく駐屯地内から二つのモノが撃ち上がる。


照明弾!


話には聞いた事があったが、あれほど光り輝くのか!


感心して周囲を見渡す。


うわぁ…真下の府道は戦車に蹴散らされて数が減ってたのに、今見える数は昨日来た時に見た以上に犇(ひし)めき合っている。

チョット引きつつ駐屯地内に視線を戻すと西側出入口付近でも銃撃が起こっている。

あれではあそこからの脱出は無理だな。

俺もそろそろ逃げる方が良さそうだ。

顎に手を当て考えていると駐屯地内北東に車両が集まり出した。

ちょっと正確には見えないな。

どうするのか見ていたら、ブルドーザーで道を作った。

一気に装甲車やトラックが出て行っている。

それと同時ぐらいに駐屯地内から大音量のサイレンが鳴り出した。

駐屯地周囲に集まって蠢いていた奴等が一斉に反応する。

駐屯地内でも爆発音が聞こえて来た。

かなり入り込んだみたいだ。

大音量のサイレンが途切れ、人の声の放送が始まった。



「こちらは桂駐屯地です。今、駐屯地の放棄が決定しました。この放送をお聞きの住民の方は直ちに駐屯地周辺からの退避をお願いします。桂川から西並び駐屯地を中心に南、北、西10キロ圏内を爆撃します。時間は午前6時を予定しています。この作戦に中止はありません。この放送が終わり次第、サイレンを鳴らし続け、出来るだけの死体を集めて吹き飛ばします。皆様には申し訳ございませんが生き残りたい方は桂川から東方面に逃げる事をお勧めします。ではサイレンに切り替えます。」



うん、すぐ撤収するか。

俺は寝床に戻り片付けをして、建屋の上からゾンビの動きを見て、来た道を戻るのが一番安全と確認してから逃げ出した。



@@@@@



何とか車まで戻り、来た道を走りつつ桂川PAを目指し、PAの緊急車両用通路から名神高速に上がる。

普通なら出入りできないところだが、門の鍵を壊しPAの建屋裏まで入り、駐車場に入るところを封鎖している鎖をホームセンターで手に入れた斧で断ち切る。

駐車場内で車を走らし、ゾンビが居ないか確認をして、自販機が並んでいる正面に車を停める。

ホームセンターで手に入れていたバールの様な物で自販機の扉をこじ開け、中の缶ジュースや缶コーヒーを取り出しリュックサックに詰める。

並んでいた自販機の半分、3台から缶系飲料を根こそぎ取り出しリュックサックが一杯になったので泣く泣く諦め京都方面へ車を向けて走らす。

桂川の鳥羽水門が目視できる場所で車を停め、駐屯地の方を見る。

自販機漁りでかなり時間を喰ったので今は午前5時50分だった。

勿論すでに陽は昇っている。

車から降り周囲の空を見る。

北からヘリが一機飛んできて、駐屯地と思われる上空にホバリングしている。

残っていた人員の回収かな?

直ぐにヘリは北方面に消えて行ったが駐屯地らしき場所から黒煙が上がり出した。


えっ?あれで終わり?


きょろきょろ見渡していると南東の空に黒点を見つけた。

でかいな…あれだけの高度であの大きさ?日本にあんなのあったっけ?

ジャンボジェット機に匹敵するぞ。いや一回り小さいか…

右旋回して駐屯地の遥か南から北上してくる黒い機体。

俺は嫌な予感を感じ車に乗り込み発進させる。










その日、向日市は一面、焼け野原の平地になって地図から消えた…









本当のサブタイトル「遠矢 向日市の消滅に立ち会う」

タイトルバレは余り好きでないので変えませんが(;^ω^)

さて次は裏を月末までに。

現在2018、05月28日午前11時30分

きついかなぁ…見捨てずに気長に待っていて下さい|д゜)

裏の次はチート本篇です。<(_ _)>



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