表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双剣使いの極狼零竜  作者: 闇&スカイ
4/4

『専属騎士の役目』

遅くなりすいません。

「んんー」

昨日は疲れてすぐに寝てしまった。

(あれ?何か重い・・・)

むにゅむにゅと狼竜の胸元で変形する胸は気持ちがよかった。

「って!?サクーー。寝てるんだし起きるまで待つか」

サクラの可愛い寝顔を見ているとまた、うとうとしてきた。

「また寝るんですか?」

「えっ」

ミラがいた。

(み、見られたー!ミラだけにw)

「つまんないですね」

「すいませんねぇ!」

「んー?あ、おはよー狼竜」

まだ半分しか目を開けてないもののふらつきながら起き上がった。

「ごはんかー?」

「はい。ですがまずは顔を洗ってください」

「んー」

「狼竜さんも」

「うん」

サクラと一緒に洗面所に向かう。

「先、洗うな」

「んー」

水を出して顔を洗う。みんなお湯だけど覚めるなら水だよね。

「ふぅ。次サクラ・・・って、何で脱いでんの!?」

「んー?おふろじゃないの?」

「違うよ!顔洗うの。水?」

「やー」

(サクラって寝起き悪いな・・・。幼い子みたいだ)

「洗ってー」

「自分で洗いなさい」

「んー」

渋々了承したのか、顔を洗い出した。

リビングに行くと、ご飯が並んでいた。

「おっ、今日は家庭的」

「いつも家庭的ですが」

(いやいや、あんな飯なら家庭的じゃねー)

「んっ」

フルーツが沢山あり、そこには美味しそうなりんごが。

「これ食うな」

「どうぞ」

「この朝食はミラが食べて」

「何か嫌いなものでも?」

「いや、朝はそんなに食べたくない」

そう言ってりんごを齧った。

「・・・。わかりました。ですが、食べたくなったら言ってください」

「うん」

すると、サクラが聞いてきた。

「狼竜ってお腹空かないのか?」

「いや?しっかり食ったら3~4日は我慢出来るけど」

「えっ」

「あくまで我慢だからな。貧しい訳じゃない」

「そうなんだ・・・」

「うん」

(りんごうまいな・・・。今日何すんだろ)

「あ、狼竜。今日は王の所にいくぞ」

「え、なんで」

「狼竜はこの国・・・アルバスの2番目に勝った。1番目と戦って、負けたら晴れて2番目入り、勝ったら1番だ」

「ああ、そう言う事」

(1番と戦うの?マジで?)

「んじゃ、行くか」





王の城まで軽く2時間かかった。

「何で城に行くの?」

「王に言わないといけないから」

「何を?」

「狼竜が騎士になったこと。2番目を倒したこと」

「え、騎士になったことも言わないといけないの?」

「うん。現国王は臆病なんだ。だから1番を専属騎士にした」

「ふーん」

(臆病か・・・。まぁ実際に暗殺があるんだし、防御固めるのは悪くないけどな)

「着いたぞ」

「おぉ、でけー」

やはり王の城となると、サクラの豪邸が可愛く思える。

サクラの豪邸の約3倍くらいの高さがある。さぞかし広いのだろう。

(何回建てだよ)

見える限りだと、7階くらいある。

「良く頑張ったな」

乗り物の竜に礼を言っていた。

(サクラってこういうことするからいいよな)

「行くよ」

「うん」

門番の所まで行き、何やら手帳みたいなものを見せた。

「アイヴェルクルム家だ。いれろ」

「はっ!」

たった一言で巨大な門が開いた。

「武器をお預かりします」

「私はいいが隣のは取るな。私の騎士だ」

「わかりました」

(てことはしまっていいのかな?)

剣刺しに呪いの宝刀をしまう。

「なぁサクラ」

「なんだ?」

「王って、どんな人?」

「簡潔に言えば、顔は怖いが優しい人だ」

「優しい人・・・ね」

昔を思い出してしまう。

幼き日に、狼竜は仲のいい友達と鬼ごっこをしていた。しかし、友達が鬼ごっこの最中に近くの流れが速い、川に落ちてしまった。

「助けて!たす・・・・・・」

「待ってろ!」

何の迷いも無く、川に飛び込んだ老人。みんな助けられるのか?と、思っていた。

しかし、そんな素振りなど待ったく持って見せず、川から出てきた。

「なんでこんなに近い所で鬼ごっこなんて!」

こっぴどく叱られた。そりゃそうだ、命の危機だから。

その老人の帰り際に付けたら、ボディガードにがっちり守られていたのを知っているのは、狼竜だけだったが。多分、国の王様だろう。

(王って、やっぱり優しいんだ)

中に入るとドレスを身にまとった美しい女性が現れた。

「あら?どうしたのですか、サクラさん」

「ナナか」

「ナナ?」

「ああ、王の娘。ちょうど私と同い年だ」

「バルベルム・デルタ・ナナティールです。ナナと呼んで下さい。そちらの方は?」

「とんでもないです、ナナティールお嬢様。サクラ・アイヴェルクルムお嬢様の、騎士をさせていただいている綾辻狼竜です。以後、お見知りお気を」

慣れない事をして、少し緊張していたが王族の娘さんに挨拶ができて、ほっとする。

「お父様の所に行くの?」

「ああ」

「じゃあ、連れて行って差し上げます」

3人で王の所まで向かう。

「それにしても、狼竜さんって強いんですか?」

「まあな、今日は1位の奴と順位決戦をしてもらおうとも、思っている」

「まあ、そんなに強いのですか?」

「現時点なら、2位に余裕で勝った」

どうだ、とばかりに自信満々な顔で言い放つ。

(あはは、まだ能力とかないんだけどね)

「そうなんですか・・・。あ、付きましたわ」

もしかしたら、門よりもでかいかもしれないほど、巨大な扉。

それを開けると数m先に玉座が合った。

「お父様!サクラさんですの!」

扉から少し歩いた所で、王に来客を告げる。

そして、玉座まで向かうと、王がいた。

「よく来たな、サクラ・アイヴェルクルム。して、何用だ?」

「はい。持ちましては、私の騎士の認定と、現1位、王の騎士、との順位決戦をと」

「ふむ」

少し考えた様に見えた。

「その騎士とやらは、そこの?」

「はい」

「あ、えっと。サクラ様の騎士、綾辻狼竜です」

「・・・」

すごい見られた。数秒の間、沈黙が続く。

「サクラ・アイヴェルクルムの騎士を認めよう。だが、何故いきなり順位決戦を?」

「それは、2位のグラン・バルゼリットを倒したからです」

「!?」

軽く動揺していた。

「順位決戦をしたのか?」

「いえ、ただ戦っただけです」

「ふむ」

(そうだよな・・・。もし負けたら、自分の騎士が2位になるもんな)

「よかろう。順位決戦をしよう」

「ありがとうございます」

「では、騎士を呼ぼう」

お互いに準備を始めた。

「狼竜」

「何?」

「この試合、絶対勝て」

「さ、最善を尽くします」

すると、またあの大きな扉が開いた。

「あいつだ」

「え?」

「あいつが1位でなおかつ、王の騎士。ザクスタン・レイビュートだ」

「なっ・・・」

女だった。

(名前が男だろ・・・)

「王が決めた名だ。騙すようにと」

「ん?」

(武器が無い?)

「気をつけろよ。奴の武器は重い。そして、魔法も使ってくる」

まだ魔法の使えない狼竜には、苦戦しそうに思えた。

(でも、やるしかない。それが今の、俺に出来る、サクラのための事だ)

そう決心し、相手を見つめた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ