約束
『私はリリっていうの』
リリ…とてもカワイイ名前だった
「リリさん、ていうんですね。
ステキなドレス、似合ってたから、つい話しかけてしまって…
私はエミリていうんです」
リリ『エミリさんね。これから、どこか
行く予定だったの?』
エミリ「いえ、特に…買い物の帰りだったんです」
リリ『そっか、こういうドレス、持ってるの?
着たことはある?』
私は彼女のように
華やかなドレスなんて、着たことなんてなく
それどころか
いつも白黒のトップスに、ジーンズばかりの
地味な服しか持ってなかった…
ちょっと彼女に嫉妬のような、劣等感のようなものを
感じながら、それでも
私とは正反対の華やかな彼女と、私は話をした
エミリ「こんな華やかな洋服は着たことがないよ。
それどころか、見たのもはじめて…
いつも冴えない服ばかり着てるから…」
リリ『そう?もったいないな。似合いそうなのに』
しばらく誰とも話してなかった私は 彼女に
笑顔で、そう言ってもらえて
とても嬉しかった
リリ『あそこの角に私がこのドレスを買ったお店があるの。
こんど見に行ってみなよ…ステキなのが、たくさんあるの。
早く行かないと売り切れるかもね…
私は、一緒に行ける時間あるか分からないけれど…』
エミリ「ぜひ、行ってみたい…
でも似合うかな?
リリさんは、いつもは忙しいの?また会える?」
リリ『いつもは用事がたくさんあるからね…
また会いたい?』
私は、できたら また会いたい、
ドレスのお店や色んなことを教えてほしい、と言って
一週間後、また同じ この場所で会う約束をした
さいごに彼女と、ニッコリしながら手を降り合った