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恋占いの少女  作者: 井戸端 礼
4/7

占いを続ける事の意味

その後、長い時が流れた・・。

彼女はまだ恋占いと続けていた。

いつかは叶うと信じ続けて、その間にも何度か、白いマーガレットが

好きで終わることがあったのだが、黄色いマーガレットのところで、

その度に嫌いで終わってしまうのであった・・・。

このまま、いつまで続けるのだろうか?自分でもそう思ったこともある

しかし、このまま終われなかった。最後までやり続けることが自分の

恋に対しての誠意だと思っていたから。それに途中で終わることで、

自分の今までしたことが何だったのか全てが無駄に終わるのではないか

?という後悔しか残らないとも思ったから。

少女は、というより彼女と言ったほうが適切かもしれない。

今日も、あの丘に来て、恋占いをしていた。

彼女はいつものように一面の花畑から一輪の白いマーガレットを抜くと

またいつものように恋占いを始めた。

「好き、嫌い、好き、嫌い・・」

またいつものように、一枚、一枚抜いていく。

「好き・・。嫌い・・。好き・・。」

今回も「嫌い」で終わってしまった。

もう彼女も、そのことに対して、悲しみも悔やみもない。ただ

「今日もダメだったわ・・・・。」

と言うと、寂しげに丘を下りて行った。

この行為を、何度、否、何十度繰り返した事だろう。

それでも、彼女はやめようと思わなかった・・。

最早、彼女にとって、それを成し遂げるまで続けることは

「使命」だったのかもしれない。それを続けているとき、

自分は生きているという実感を感じるのだった。

彼女の生き甲斐を取り上げることは、たとえ神でもできないだろう。

何日かして、また彼女は丘にやってきた。

そして、その時はいきなり訪れたのだった。

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