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恋占いの少女  作者: 井戸端 礼
1/7

恋占いをする少女

「好き・・。嫌い・・・。好き・・・。嫌い・・。」


ここは小高い丘の上。一人の少女が、花占いをしている。

占いに使っている花はマーガレット。恋占いでもよく知られている花である。

花言葉には「恋を占う」「予言」「心に秘めた愛」

「誠実」「貞節」などがある。またピンクのマーガレットには「真実の愛」

黄色いマーガレットには「美しい容姿」という花言葉もある。


彼女は恋をしていた。少女なので、憧れに近いと言っていいかもしれない。

きっかけは、学校でのある出来事だった。

彼女はとても引っ込み思案で、物静かな女の子。

何事にも一生懸命で、真面目な子ではあるのだが、みんなと騒ぐのは苦手。

そんな彼女が、ある男の子にこんなことを言われた。


「君は、ホントに色々頑張ってるね。すごいなっていつも思ってたんだ。」

「そ・・そんなことないし・・。みんなに迷惑かけたら困るから・・」

「迷惑なんてかけてないよ。君がいるからみんなもよし!がんばろうって思えるんだから。」

「・・・・・・。」

「そんな頑張っている君、僕は好きだよ」

「!!!!」

「じゃあ、またね」

彼は過ぎ去っていった。彼女は胸の高まりを抑えられなかった。

彼は、クラスでも明るくて優しい人気者だった。彼女も彼のことは嫌いではなかった。

ただ、それが恋に発展することは、今の今までなかったのに・・・。

(ダメ、ダメ。私なんて何の取り柄も無いし、好きだなんて・・・。彼の冗談でしょ?

そう、そうよ。冗談に決まっているじゃない!!)

と彼女が思えば、思うほど胸の鼓動がさらに激しくなる。

(イヤ、イヤッ!なんか頭が変になりそう・・。そんなわけない!そんなわけない!)

頭の中で、その感情を否定しようとするのだが、もう一つの意識がそれを許さない。

おかげでその日は、眠れぬ夜を過ごしてしまった・・・。

翌日 彼と挨拶をした。彼は昨日言ったことなど、忘れたかのように振る舞うが、彼女は、

挨拶するのも、心の鼓動がはち切れんばかりだった。

(私・・・。このままじゃほんとにおかしくなっちゃう・・・。どうすればいいんだろう)

彼女は、色々と考えてみて一つの答えを出した。

「そうだ、恋占いをして、それが叶えば、その時に告白しよう!そうすれば彼も応えてくれるはず」

そう思った彼女は今、恋占いをしていたのだった・・・。


「好き・・・。嫌い・・・。好き・・・。嫌い・・・・。好き・・・。あっ!」


残り1枚となった。恋占いの終わりは最後の一枚で決まる。つまり嫌いで最後の一枚を取ると、

嫌いということになるのである。彼女はそれを察すると、その花を捨てた。

「今日は、告白する日じゃなかったんだ。また次回にしよう・・。」

そういうと彼女は丘を下りて行った。




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