川隔た西のお城ボルサリーノ
ナチュラルはエミーシャに連れられ、村に帰ることになった。シャイン村に着いたナチュラルとエミーシャは、マグさんが用意した夕飯を食べて一夜を過ごした。
翌朝、エミーシャから近くの川を隔てたお城ボルサリーノに向かうことになったと話があった。
「ナチュラルにとって、初めてのお城ね。前に行った古いお城とは訳が違うわよ。警備もしっかりしてて、内外の警備や民の安全を大事にしている女王様だから」
「???」
ナチュラルにはよく分からない話だったが、一緒に行くことにはとても好奇心旺盛だった。
2.3日で帰るとエミーシャは言い、ナチュラルを連れて川沿いまで向かう。途中、魔物たちに出くわしたが、ナチュラルの成長振りを見てエミーシャは安心していた。魔法もいくつか覚え、ナチュラルは少し強くなっていた。
「もうすぐ国境よ。私は女王から文を預かっているから通れるから心配いらないわよ」
エミーシャの言った通り、国境の警備兵に文を見せたらあっさりと通してくれた。
けれど、ここからが少し遠い道のりであった。何度か魔物たちに遭遇。エミーシャは魔法だけでなく、剣の太刀筋を素早く魔物たちを瞬殺。ナチュラルやホルンも参加するがたいして必要ないほどに楽に城下町まで着いた。
「さあ、着いたわよ!国王はお優しい方よ」
エミーシャに引かれ、ナチュラルは中へと進む。城は夢でしか見たことなかったが、本物の城はとても豪華だった。エミーシャを見て警備兵は両端を体を向けて、二人を通す。ナチュラルは階段のある奥の通路へ引かれて、女王のいる部屋に入る。
「エミーシャ!久しぶり、待っていたのよ〜」
「マリーナ陛下。この度のご招待ありがとうございます」
エミーシャはお辞儀をすると、素早くマリーナに抱きつく。
「ずいぶん貫禄が出てきたじゃない。そういえば、陛下の子どもも同じ歳でしたよね、私の息子と」
「そうよ。ああ、その子ね!あの時はまだ赤ん坊だったのに、時が経つのは早いわ〜」
エミーシャはマリーナから離れ、ナチュラルに近寄る。
「お母さんたちはお話があるから、少しの間、この城の中を見学してらっしゃい。もしかしたら、王子様に会えるかもしれないわよ!」