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Artemis Online   作者: 氷結トマト
第一章「箱庭の中」
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第7話「ノースベルグ1」

ね、眠い。目が覚め、ふと備え付けの時計に目をやると時間は丁度6時。ああ何時も通りだ、眠い。俺はどれだけ疲れようが、この時間に叩き起こされる。


ふと、ユキカゲの方を見ると布団にくるまって寝ている。お前はミノムシか。とりあえず揺すってみるが反応なし。アレをやるか、しかしアレは痛すぎる・・・ユキカゲの叫びはリアクションが出来ないタイプのそれだったからな。流石に反省した、俺もトーカにやられて地獄を見たからな、あの痛みはわかる。・・・今思い出したんだけどな。


とりあえず、布団から引きずり出すか。ふと、布団に手を掛ける直前で気づく、ユキカゲ起こす必要なくね?俺は手を引っ込めると置き手紙を残すことにした。


ユキカゲへ

借りたものを返しに行ってくる。


よし、これで良いだろう。


水浴びをした後、ふと自分の服を見る。


「鎧はともかく、この服で会うのはマズいかな・・・」


流石に初期服はマズい気がするな。取り敢えず途中で服屋にでも寄っとくか。


服屋で適当な服を見繕ってもらい、騎士団寮に向かう。


ーーーーーーーーーーーーー


道に迷ったが、通りすがりの人に道を教えて貰い何とか辿り着いた。いやー親切な人で良かった。


受付の人にノエルのことを尋ねようとすると、横から声を掛けられた。聞き覚えのある声。


「来ましたね、タテ男。さあこちらです、着いてきてください」


「そのタテ男ってなんか嫌だな、伊達男みたいで」


「一つ言って置きますが、ひーーノエル様にご戦友として認められたからと調子に乗らないことです」


ミリアさん厳しいな。何か俺なんか悪いことしたっけ?


案内されるまま着いていくと、急に足が止まった。


ここがノエルの部屋か、何か地味だな。いや、周りの廊下とか扉、壁、天井とか引っくるめてさ。騎士寮とか言うからもっと豪華絢爛かと思ってたわ。


「タテ男、今地味と思ったでしょう?」


「滅相もない」


ミリアは部屋をノックし、入室の可否を求める。


「ミリアか、入れ」


ガチャ


部屋に入ると、ノエルは机の上に纏めてある羊皮紙に目を通していた。おそらく報告書か何らかの書類だろう。


「すまない、後少しで終わる。其処に腰掛けて待っていてくれ」


暫く待つと羽ペンの動きが止まった。どうやら終わったらしい。


「ふー、いつもながら報告書は面倒で敵わん。すまないがミリア、紅茶をーー」


ノエルと目が合う。どこからかBGMが聞こえてきそうだ。


「うわっ!ア、アマト、来ているなら声を掛けろ。少し驚いたぞ」


「すまない、何か忙しそうな雰囲気だったんでな。迷惑かと思ったんだ」


「遠慮するな。私たちは戦友、友だ。なんの気概もなく接してほしい」


うわ、ここまで言われるとなんか恥ずかしいな。


ノエルにペンダントを返すとお礼の話になった。参ったな、個人的にお礼は遠慮したいところだ。


「お礼は要らないから、情報が欲しい。ここ最近変わった事とかないか?」


「変わった事か・・・冒険者ギルドに村からの討伐依頼等が増えているくらいしか無いな。・・・本当にこれだけで良いのか?我が家に伝わる竜殺しの武器でもくれてやろうか、と思っていたのだがな」


ほら、断って正解だよ。こんな序盤から竜殺しの武器なんてもらったら、竜討伐のイベントにでも巻き込まれかねない。まだ強くない内は余計なフラグを建てない!これ大事な。


そもそもどんな条件でイベントが起きるか解らんし。


「全然大丈夫。情報ありがとうな」


「ま、待て来たばかりではないか。もう少し紅茶でも飲みながら話をしないか?」


そそくさと立ち去ろうとする俺を引き留めようとするノエル。しかし俺は見逃さない、ノエルが話をしながら隠した羊皮紙の束を。


「ノエル、まだ書類があるだろ。またの談笑はノエルが時間に余裕があるときにでも、じゃ」


シュタッと手で敬礼をし立ち去る。俺はその際にミリアがGJ と言いたげな表情をしているのを見た。仕事頑張れよノエル。


騎士寮を出た時に、ノエルの怒声が聞こえた気がするがまぁ気のせいだろう。


ーーーーーーーーーーーーー


取り敢えず冒険者ギルドに行ってみるか。他のプレイヤーはイシュテスで登録してるらしいが、俺はしてない。そう言えばトーカから話を聞いた気がするが、すっかり忘れていた。


受付の人に登録を申し込み、自分の情報を羊皮紙に書き込む。仕上げは謎の水晶に魔力を注いで完成だ。実にお手軽で素晴らしいな。


「えーアマトウさんはDランクから始めて頂きます。依頼は自分のランクと同等かそれ以下しか受けることができません。依頼は書かれている内容通りに達成すれば問題はありませんが、もし不達成となれば報酬のおよそ4割を徴収させて頂きます。 モンスターの討伐にランクによる制限はありません。以上が要約した内容になります。ご質問は?」


「ドロップアイテムは?」


「ご存知の通り、モンスターには死んだ後魔力となり霧散するもの、そのまま死体になるものがあります。死体の場合は身体から討伐証明と素材を剥ぎ取りますが、霧散するものはドロップでしか素材を獲得する術がありません。この場合の討伐証明はそのモンスターからドロップする素材を最低1つ納品してください。余ったドロップアイテムについてはご自由にどうぞ」


ご存知の通りって、俺モンスターって全部光になって散ると思ってたんだけど。


「霧散するモンスターとかってどうやって見分けんの?」


「そうですね、主にダンジョン近辺のモンスターがそこの守護者と同系統だとそうなるみたいです。ちなみに霧散するタイプは大体強いみたいですよ?その代わりに討伐した際の経験値も多いとか、後素材の質も良いらしいです」


成る程、でも待てよスライム糞弱かったぞ。


「はい、最近までそれについては、イシュテス南のダンジョンの守護者が確認されなかったため、謎だったのですが。今朝、イシュテスから報告上がったので推測ながらご説明します。守護者の名前は「ゲルマン忍者」、斥候職の加護者がスキルを使用したので間違いないそうです。系統はスライムからの派生種族ゲルで、人型。外見的特徴は東方の国【ヒイヅル】固有の斥候職【忍者】にそっくりだとか」


人型のゲルだからゲルマンか。なんかゲルマンウォーリアとか、ゲルマンウィザードとか、ゲルマンアーチャーとかその内出てきそうだな。


「そのことから推測しますと、ゲルマンが純粋なスライムでは無いためスライムは半端な影響を受け、弱いにも拘らず霧散するタイプになった。と考えられます」


へーそんなこともあるのか。いい勉強になったな。早速ユキカゲに教えに行こう、忍者好きだろうし。


「他に質問はありますか?」


「いや、もうないよ。色々教えてくれてありがとう」


クエストに興味はあるが、今はユキカゲにゲルマン忍者の事を教えるのが先だ。・・・昨日の罪滅ぼしってわけじゃないが、本当に悪いことをしたと思っている。


ーーーーーーーーーーーーー


ギルドを出ると、ユキカゲがいた。いや、正確に言えば出店のお菓子を買い漁っていた。


「お前も甘党だったのか、ユキカゲ 」


ユキカゲはビクッと肩を震わせて此方を振り向いた。てかその目止めろ、なんか俺が悪者みたいだ。


「ち、違うでゴザル!決して甘党では無いでゴザルよ!そう、拙者は天ぷらそばと煎茶をこよなく愛する硬派な忍びーーーユキカゲでゴザル」


キリッ


「いやカッコつけても意味ないからな。先ずは菓子を隠せよ」


「うわーん!拙者の寡黙で硬派なイメージが~!」



んなもん最初からねぇよ。どう考えてもお喋りで天然混じりなへっぽこ忍者だろ。どこどう見りゃそうなるんだ、こいつの頭の中を覗いてみたいわ。


「まあまあ、そんなことは置いといて。ユキカゲに耳寄りな忍者情報を持って来たんだ 」


ユキカゲがピタリと動きを止める。


おお、マスクで表情はよくわからんが間違いなく喜んでるぞ。心なしか目が輝いて見える。


ユキカゲにゲルマン忍者やヒイヅル国について説明する。話を聞いたユキカゲはかなり興奮した様子で、ウィンドウを開き操作する。


何をしているのか気になり、ユキカゲに尋ねる。どうやら掲示板で確認しているらしい。


「掲示板なんてウィンドウには載ってないが、何処にあるんだ?」


「名前をタッチでゴザル」


その情報、もっと早く知りたかったよ。掲示板なんて便利なものがある以上、利用しない手はないな。後で見ようっと。


「しかし、これで拙者の最優先目標が決まったでゴザル!1つはゲルマン忍者の討伐、もう1つはヒイヅルについての情報収集でゴザル!掲示板によると討伐隊の編成は4日後だそうでゴザルよ」


「じゃあ修行しようぜ」


「えっ?」


「いや、えっじゃねぇよ。ユキカゲ弱いからレベル上げないと駄目だろ」


とりあえず今日から始めるか。ゴブリンの討伐クエストばっかやらせれば嫌でも強くなるだろう。




次回、ユキカゲの修行

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