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Artemis Online   作者: 氷結トマト
第一章「箱庭の中」
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閑話「槍使いとその他」

仕事が忙しく更新が遅れてしまいました。

粗い文章ですが投稿させて頂きます。



たった今ツリフを出発したのは二台の馬車、その後を追うようにもう一台の馬車がまた出発する。



「行ってしまいましたね…」


イグサが感慨深い表情でそう呟く。アマトウと言う貴重な戦力が町から離れてしまうのが惜しいのだろう。


「どうせ止めても行くだろうが、気にしたって仕方ねぇだろう。俺達は俺達でこの地域をクリアしていきゃいいんだよ」


本当はアマトウには残ってダンジョン攻略を手伝ってもらいたかったがな…癪に障る話だがあいつ強いし。


「でも少し無責任な気もします。あのロックドラゴンが出てきたダンジョンには恐らく鉱物資源が豊富なはず、そのダンジョンの攻略は優先するべきなのに…」


あー、こいつ責任感強い上に結構頭固いからな…アマトウのそこんところは理解できねぇみたいだな。


「どうせ暫くしたらお前んとこの面子全員こっちにくんだろ?あと、おいてけぼりにされた風の黄昏とかよ。だったら大丈夫だろーがよ」


あれだけの面子なら攻略も捗るだろ。


「それにあれだ、なんなら俺があいつの分まで頑張るしよ」


「はぁ……パンツマンじゃあてにならないって…」


「まだそれ引きずんのかよ!」


これだから女は嫌いなんだよ!しつこいし!いや女の子大好きだけどね。


パンツマン…それは昨日に遡る。




「シーロちゅわーん!待ってなw 王子様がやって来るぜww」


今俺はシロちゃんの家に向かってる最中ってわけ。ん?なんでかって?実はシロちゃんの庭に洗濯物を干させてもらってんだよ、でそれを取りに行こうとしてんの。


「お、乾いてんな。うーし回収回収」


キュピーン!


衣服が乾いているの確認してから収納していると、ふと素晴らしい気配を感じた。


この感覚…!


振り向いた先には、




かなり際どいデザインの下着があった。


「うおおお!こ、これは…Tバック…か?いや、それにしてもこれは誰の下着なのかが大事だ!!えひゃ

ひゃひゃひゃww 運営め、セクハラ行為を制限しなかった事を後悔させてやるぜwwww 」


俺はその下着を手に取り頭上へ掲げる。


「全世界のエロスよ!我に力を!パァーンツフォーウメイションッ!!」


説明しよう!槍使いのエロスパワーが頂点に達するとき、色々ヤバイ次元を飛び越え羞恥心を捨てることにより頭にパンツを装着することができるのだ!!(大嘘)


スチャッ


「装っ着!!」


ふぅ…やっちまったぜ…、しかし思ったよりなんてことはなかったな。罪悪感の欠片も感じねぇ…。


「ねえ槍使い、何をしてるの? 」


こ、この声はイグサ!しまった、そう言えばこいつもここに干してたな。


「あ、その下着は!!」


ちいっ!この反応から察するにこいつのパンツか!どうせならトーカかシロちゃんのが良かったんだがな。


「ちょ…そのパンツ僕のなんだけど。なにしてんだよ、キモい…」


声の主へと振り向けば、そこには火魔法使いがこちらを睨み付けていた。


「え…じゃ、じゃあこのパンツは男の……?」


目の前が遠くなるのを感じた。


つまりあれだ、俺の額と野郎のナニの間接接触……。


「嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だウソだウソだウソだウソだウソだウソダウソダウソダウソダウソダウソダ!!!!アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」


その時俺の中で何かが壊れる音が聞こえた。奇声に驚いたシロちゃんが家から飛び出してきたが、俺を見るなりテンションがガクッと下がったようだ。


「ど、どうしました!?なにか凄い声が聞こえましたけど…。って、うわー槍使いさん大丈夫ですかー?(棒)」


「気にしない気にしない、よくあることですよシロちゃん」


ひでぇ、もうちょっと労れよ。結構ガチで傷付いたんだけど。俺の扱い酷くね?


「つーかさー、なんでお前のパンツこんな際どいデザインなんだよ!?趣味か!ドン引きだわ!!」


「ち、違うし!これパンツ形のアクセサリなんだよ!!僕だって本当は履きたくないし!!」


まじかよ、初めて聞いたぞ。


「どれどれ」


【賢者のパンツ】:INT+8


うわ、マジだ。てか賢者の趣味わりぃなおい!!



そういや今更だがシロちゃんと一緒の野郎は誰だ?なんか服装的に地味だな、でも黒髪のNPCは殆ど居ないから恐らくはプレイヤーだろう。あー、名前非表示にしてっからわかんねぇ。


ちなみに名前は表示と非表示が選択可能だ。上位の名の知れたプレイヤーは大抵非表示にしてるな。だってマナーの悪いやつから絡まれたくないし、当然の対応ってやつ。


んー、取り合えず喧嘩売っとくか?


「オイゴルァッ!!なーに俺のシロちゃんにベタベタくっついとんじゃい!いいか、シロちゃんの料理を食うのもお早うからお休みまでも添い遂げんのも全部俺の予約が入っとんじゃい!!さえねぇ野郎はとっとと失せた方が身のためやぞ!」


ふっ、決まったな。もうこれは俺の完全勝利と言っても過言ではあるまい。これだけシロちゃんは俺の嫁だと言っときゃ大丈夫だろう。


「え?アマトウさんは毎日私の料理を食べてますし、おはようもお休みも毎日してますよ?」


キョトンとした表情でさらっと爆弾発言をするシロちゃん。な、なんだと…しかもアマトウって。


「トーカだけに飽きたらずシロちゃんまでその毒牙にかけるか……許せん!!」


俺の中で熱い力が爆発するぜ!燃えろ俺コ〇モーーッ!!


熱き怒りをその身にたぎらせ、俺は拳を構えアマトウを見据える。


「PKがなんぼのもんーー」


「落ち着けパンツマン。まずはそのパンツを外してくれ、絵面が酷いぞ」


っな…!パンツマンだと?


「パンツマン……ぷふっ」


「くくく、パンツマン!これは傑作です!ぷーくすくす!」


うぎぎ!女性陣が笑ってやがる、おのれアマトウ!!ゆるざんっ!!



俺はパンツを火魔法使いに投げつけ、アマトウにいつか一矢報いてやろうと誓った。……え?その場で殴りかかれよって?いやお前、そんなことしたら女性陣からの評価が駄々下がりだぜ?これ以上嫌われたくないしな……。



と言う事があったのだ。


それをこいつはネチネチと…!!


「しつけぇんだよ!!パンツマン言うの止めろバーカッ!!」


ここはどかんと言っておかねえとな。


「…ふーん。そう言う態度しちゃうのかー」


辺りに不穏な空気が立ち込める。


「な、なんだよ…やんのか?」


ふ、ふん!毎回やられてばかりと思うなよ。窮鼠猫を噛むってことわざを体感させてやらぁっ!!


「学習しない人ですね。なら、再教育してあげますよ。前以上のトラウマと一緒に…ね!」


ダンッ


イグサが地を蹴ると同時に決闘システムが発動する。脳内に声が響く。


『決闘を受理しますか?』


「やってやるぜっ!!」


槍と剣がぶつかり合い火花を散らした。




その決闘から数日間、挙動不審の槍使いが目撃された。話し掛けても支離滅裂でひたすら「ゆ、ゆりちゃ…ご…ごめんなさい…」等とブツブツ呟くだけで話の受け答えができない状態だと言う。


その決闘の結果は…言わずとも察する事ができよう。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【ミリア視点】


馬車に揺られながら次の街を目指す。ツリフ近辺の魔物はタテ男の活躍により以前の状態にまで沈静化し、ゴブリンに至っては殆ど姿が見えなくなっていた。


これにより私達は未だ魔物との戦闘が激しい地域へと応援に行くこととなった。ロックドラゴン討伐の影響もあってかパルン国内の魔物の勢いは沈静化しつつあり、以前の様を取り戻すには時間はかからないでしょう。


この話をした時に姫様は、


「わ、私はもう少しここに残りたいのだが…」


と出発を渋っていました。……恐らくはあの男が原因でしょう。これはいけません、姫様はその感情を友情かなにかと勘違いしているようですが…間違いなくそれは恋心でしょう。数々の恋愛相談を受けてきた私が言うのですから間違いありません。(自身の恋愛経験はゼロ)


まあなんとか説得して馬車に乗って頂いたのですが、


「私は後ろの方で横になっている、用があれば呼んでくれ 」


と言ったきり姿を見せません。あちゃー、これは相当機嫌が悪いですね。


しかし、そろそろ馬を休める為に止まらなければなりません。姫様を呼んだときに凄い不機嫌だったらどうしよう、胃がチクリと痛みます。


フーッと息を吐き、深呼吸をします。


よしっ、大丈夫。姫様はそんな理不尽に怒る人ではありません、大丈夫大丈夫。


ガチャと扉を開くと、


「姫様ー?そろそろ馬を休ませますので降りーー」


そこには誰も居なかった。



状況が掴めない、混乱した頭を最大回転させつつ辺りを見回すと一枚の紙を発見した。


『すまないな。これを読んでいる時に私は既にアマトを追いかけていることだろう。お前たちには申し訳なく思うがどうか許してほしい。お父様には見聞を広めるべく旅に出たとでも言っておいてくれ。ーーー省略ーーー ノースベルグ第一王女ノエル・アルスベルグより』


ワナワナとその手紙を握り締める、その様子は一目で怒っていると分かるほどの怒気を纏わせていた。


「ひ、姫様あああああああっ!!!!」


その日パルンの空に怒りの咆哮が轟いた。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

簡易キャラ紹介


槍使い(名前は不明):ヒューマン (レベル31)

職業:槍使い(レベル48)

性別:男

所属ギルド:なし

βプレイヤー。槍を好んで使うが突く事に特化したランス等は好まない。意外と努力家でマメな鍛練でコツコツと職業レベルを上げたりしている。だが変態。実はガラスのハートなので直ぐに凹む。


火魔法使い:ヒューマン(レベル33)

職業:魔法使い(レベル45)

性別:男

所属ギルド:極大魔術結社MSM

βプレイヤー。1つの属性に特化した魔法使いが集まったギルドMSMに所属する火魔法使い最強の少年。日夜、新しい火魔法を開発している。厨二なプレイヤーに憧れているが、根っからの厨二ではないため回りからはカッコつけた自信過剰としか映らないことを気にしている。


イグサ:ヒューマン (レベル35)

職業:剣士(レベル49)

性別:女

所属ギルド:翡翠の旋律

βプレイヤー。槍使いとは幼馴染みのようだ。基本は真面目だが、いきなり砕けた態度に変わることもある。本人いわく疲れた。





次回、アマトウ魔法を学ぶ

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