プロローグ
品質管理部に異動して三週間。
神谷結衣は会議室で説明を聞いていた。
机の上には報告書。
上司が指す。
上司「この改善案なんだけど」
上司「現場からは評判いい」
上司「ただ根拠が弱い」
結衣「根拠ですか」
上司「過去事例も含めて整理したい」
上司「できれば再発防止まで繋げたいな」
結衣「わかりました」
上司「急ぎじゃない」
上司「来週中でいい」
結衣「わかりました」
ーーー
会議が終わる。
その瞬間、結衣の頭が勝手に走る。
過去事例。
類似案件。
原因分析。
現場確認。
再発防止。
改善。
効果測定。
結衣(……全部いる気がする)
結衣(全部いる気がする)
大事じゃないのに二回思った。
ーーー
席に戻る。
資料を開く。
気づいたら三年分が机に並んでいる。
一冊だけのはずだった。
増えている。
おかしい。
でも増えている。
ーーー
読み始める。
付箋を貼る。
気になる。
もう一枚貼る。
また気になる。
貼る。
貼る。
貼る。
机が黄色くなっていく。
結衣は少しだけ満足する。
(整理できてる気がする)
たぶん気のせい。
ーーー
夕方。
「やぁ」
同僚。
結衣「やぁ」
机を見る。
資料。
付箋。
付箋。
付箋。
沈黙が一秒伸びる。
同僚「これ全部見るの?」
結衣「全部じゃないけど全体はフワッとでも把握したくて」
同僚「フワッと?」
結衣「うん」
同僚「それフワッとか?」
結衣「うん」
同僚「嘘だろ」
結衣「?」
同僚、付箋だらけの資料を一枚持ち上げる。
同僚「手伝おうか?」
結衣は少し考える。
結衣「大丈夫」
同僚「遠慮?」
結衣「違う」
同僚「じゃあ何」
結衣「自分の仕事あるでしょ」
同僚「あるよ」
結衣「ほら」
同僚「?」
結衣「?」
同僚「いや」
同僚「神谷の仕事でしょ?」
結衣「うん」
同僚「俺の仕事でもあるけど」
結衣「そう?」
同僚「同じ部署だし」
結衣「うん」
同僚「同じチームだし」
結衣「うん」
同僚「だから手伝うんだけど」
結衣「でも自分の仕事あるでしょ」
同僚「そこに戻るの!?」
ちょっと微妙な空気。
同僚「まぁいいや」
少し沈黙。
結衣(……なんか困らせた?)
結衣「……ごめんね」
同僚「謝らなくていい」
結衣「うん」
結衣、少し考える。
結衣「でも本当に大丈夫だよ?」
同僚「無理するなよ」
結衣「うん」
同僚、諦めたように笑った。
そして帰っていった。
結衣は再び資料に向き直る。
結衣
(自分で見た方が早いし)
(理解も出来る)
少し考える。
(……それに)
(どこまで頼んでいいか分からない)
(……彼も自分の仕事あるし)
結衣、1人で。
付箋をもう一枚貼った。
これ実体験から出来た作品です
なので今までとはちょっと毛並みがかわります
今、会社で改善部署みたいなところに入ったんですよね
そこでデーターを見ながらアレでもないコレでもないって真面目な事を色々考えている時にふと
『あーのんびりインスタ見たい⋯』
と言う思いが降ってきて吹き出しました
眉間にシワ寄せて考えてた私の中にサボローの私もいるーー!(爆笑)って
あぁこれ小説になるんじゃねぇ?と思って出来た作品です、可愛がってくださいね




