閑話 オニキスとニーニャの関係
オニキス伯爵は王城の貴族牢を訪ねる。
ここにオニキス伯爵と所縁がある令嬢がいる。
「ニーニャ令嬢、御気分はどうかな?」
「貴方は!何しに来たの?」
「いやぁ、君に聞きたかてね。君って転生者でしょ?」
そう、オニキスは転生者であった。
前世がゲームオタクであったお陰でこの世界がゲームの中と同じ世界だと気付く。
だが、転生した先は貧乏男爵家の三男とお先真っ暗の状態に愕然とした。
が、とあるパーティー会場で壁の花となっているファニベルに一目惚れしてしまう。
ファニベルが置かれている状況を知り、どうにか助けることは出来ないかと考え、断罪劇を利用する事にした。
「まさか、君もって貴方もなの?嘘でしょ、男爵ごときのモブ令息に私の幸せが奪われるなんて・・・」
「幸せねぇー」
「そうでしょ、あのまま断罪が上手くいっていれば私は王妃になっていたのよ」
「その時の王はあの馬鹿だぞ。君が全ての仕事を請け負わなくてはならなくなるぞ。それに公爵家と亀裂が入り、この国は破滅へと向かう事となっただろう。そんな王妃になって幸せなの?」
「・・・」
「君は貴族のままでいられるよう頼んでおいたよ。君は優秀だと伝えておいたから何処かの高貴な貴族を落とすよう送り込むかと思うよ。君が気に入れば、そのまま婚姻を結んでもいいんじゃないかな?」
「何で助けてくれるの?」
「同郷だし同属だからかな」
「同属?」
「人が思い通りに動くなんて楽しくて仕方がないでしょ」
「・・・そうね」
オニキス伯爵は牢の中にいる令嬢と握手を交わした。




