表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

あたしは混じりたい

作者: 歌川 詩季

 シチュー好き。

 どぶねずみ色と飼いねずみ色のまだらになるまで

 あたしは混じりたい


 トマトの酸味をバナナの甘みがひきたてる

 とびっきりのケチャップになるまで

 あたしは混じりたい


 シュー生地(きじ)のなかで二世帯住宅をやめた

 生クリームとカスタードクリームの六畳一間のように

 あたしは混じりたい


 しっかりと色の染まった牛乳の底で

 まだとけのこったココアの粉が

 厚く泥をはったりしないように

 あたしは混じりたい


 光と闇 炎と氷 風と壁 翼と鎖

 あたしに()相反(あいはん)するものを

 内包して外装して

 拒みあいつつも愛しあえるようになるまででいいんだ

 鍵をあけたシチュー鍋の重い(ふた)を持ちあげたら

 (かぎ)のついたかき混ぜ棒でぐるぐるしてやるから

 あたしば混じりたい


 だれかと なにかとじゃなく

 あたしは あたしと混じりたい

 どちらかといえば、クリームシチュー派。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ