夜会おうよ
GWのあと
ほんとにほんとうに少しだけ
なんとなく私達にカップルっぽい雰囲気が漂っている。
ような気がする。
お互いの気持ちを確認しあったからか。
前よりも気楽に話せる。
といっても、電話でだけど。
ヤマト君は推薦に向けて部活のほかのサッカーチームにも入っているし、
私は受験勉強で毎日忙しくしているので
会うことかしばらく出来ずにいる。
でも、相変わらずの夜の電話は続いていて、
少しずつ少しずつそんな雰囲気になっている気がする。
「もうすぐ修学旅行だけど、アカリは班活動誰とまわるの?」
「あーいつものメンバーになると思う」
「まじか。まあそうだよな。アカリと一緒にまわれるやつらが羨ましい。」
「私だってヤマト君と一緒にまわる女子は羨ましい。かな。」
「じゃあ同じだな。」
「うん。同じだね。」
·······
「あのさ、修学旅行の時に夜会おうよ。」
「駄目でしょ。」
「夜の少し位いいでしょ。」
「どうやって?」
「階段で。
配られた見取り図に非常階段があった。
二階の非常階段で、そこに点呼前の余裕持って19:30に集合な。」
「見つからないかな。」
「先生は点呼前は見回りない。
生徒なら別に知られてまずいことはない。
むしろ知れ渡ったほうが好都合だ。」
「私は付き合ってるのバレるの恥ずかしいな。」
「俺はバレたい。自分からは言えないし。
まあでも、とりあえず、俺は修学旅行の思い出として
2人で会いたいだけだから。
なかなか夜に会える機会もないしね。
楽しみにしてる。」
「うん。私も会えるのは嬉しいかな。」
「だな。」
修学旅行まで何度も会う場所と時間をお互い言い合った。
場所と時間を間違えないように。
必ず会えるように。




