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[現在]中学生の頃から変わったでしょ?
「中学生時代からヒカリは変わらないよ。
俺は変わったでしょ?
こうやってヒカリと普通に飲みに行けるし普通に話せる。
お店だって選べる。
あの頃は何も知らなかったし、何も出来なかった。
少しはヒカリにとっていい男にみえるようになったかな?」
少し酔ったサトウヤマト君が私を見つめる。
「うんうん。変わったよ。
普通に会話できるのが奇跡だよね。」
ついつい軽口を叩いてしまう私。
「ヒカリ、それは言い過ぎだから。
でも、確かにそうなのかな。」
ヤマト君は苦笑いしながらも
「ヒカリ相変わらず飲めないみたいだし烏龍茶にしたら?」
とすすめてくれた。
(「ヒカリ」なんて呼び捨てしてくれる男性はもうヤマト君だけじゃないかな。夫だってそんな風に呼ばないもんな。)
そんなことを考えながら烏龍茶をお願いした。
もう出会ってから四半世紀。
私達の距離感は不思議だ。
付き合ってる時も
お互いに家族がいる今も。
最初に出会ったのは
中学1年生の時だった。