勇者が、魔王を倒した後、魔族の民を襲わなくなった系の話
「アハハハハハハ、魔王を倒したぞ!」
「「「さすが、勇者様!」」」
僕は転移した。
訓練をして、強くなって、あった言う間に、魔王を倒したよ。
しかし、僕は知っている。
魔王を倒した後は、魔族征伐だ。
強い魔王を倒したのだもの。
魔王城の財宝だけでは、満足は出来ない。
魔族を討伐して、ダークエルフのお姉さんや、サキュウバスたちと、ムフフするぞ。
「異世界十字軍だ。これからは、魔族領に深く侵攻するぞ!」
「「「オオオオオオオオ!」」」
そして、僕たち、勇者召喚国の騎士団とともに、征伐を続行したのさ。
後は、たいした奴らは残っていない。
魔族の絶滅は、女神様が望まれているのさ。
☆魔族領、とある盆地
「ウゲ、ウゲーーーー」
バタン!
ガクガクブルブル~~
そんな。騎士団が、騎士達が、何もされていないのに、倒れて行く。
俺は勇者だ。他よりも回復力は強いが、それでも、意識がもうろうとしてきた。
バタン!
僕も、倒れた。
薄れ行く意識でみたものは・・・
人が数人、やって来る。
「ナ、ナ〇シカ!」
あのアニメ映画に、出てくる主人公が腐った海でつけるようなマスクに、ブカブカの服・・・・
女か?彼女は僕に話しかけた。
「あ、勇者?おけまる水産?!イエイ」
な、何?ギャル?
「あーし、魔王軍、最弱の四天王、ギャル巫女だし」
「な?何?僕は勇者、異世界十字軍だ・・・」
「魔王軍、化学防護隊ってな感じ。魔族の滅亡を神は望んでいない感じ~史実の十字軍は略奪ばかりのゴロツキ集団だし」
「な、なんで、防護隊なのに、毒ガスをまいているんだよ・・・」
「研究用だし。防護でも知らなければ、いけないってな感じ?日本は化学兵器を使わないのに、周りの国は持ってる系?
なのに、日本のマスコミは、自衛隊が作ると騒ぐ感じ?
知識と覚悟がないから、冤罪で、長野の農家のおじさんが、容疑者になる国?」
「意味分んねえよ・・・」
「知らないのは罪だし!」
バタン!と勇者の体は糸が切れたマリオネットのように、倒れ。もう、動かなくなった。
ふう。勇者、死んだ系?
彼女は、動く者がいないことを確認してから、
右腕を高くあげて、
「浄化系~~~」
と叫んだ。
しばらくして、マスクを取った。
「ふう。大丈夫系?!マスクとって大丈夫系!」
とおつきの者に、促す。
「「「オオオオオ、有難うございます」」」
「しかし、身も蓋もない能力でございますね・・・」
「うん。だから、勇者が、魔族の民を殺しにきたときだけ使う系?」
彼女は、かの世界では、ギャルで、理系という存在だったそうだ。
かの地の騎士団の技官という役職に就いていたそうだが。
転移して、思念を現実化、出来る能力を授かった。
専門分野、限定だそうだが・・・恐ろしい。毒ドラゴンのようだ。
当初、聖王国の教会に転移されたが、
あまりに、言動と容姿がおかしくて、追放されて、魔王様の配下になられた。
「戦死された魔王陛下に、黙祷だし」
「「「黙祷!」」
このギャル巫女一人により。狂信的な騎士団4千名と、勇者が戦死した。
このことから、たとえ。魔王を倒しても、回れ右で、国へ帰ることが慣習化したそうだ。
ギャル語、自信がありません。
最後までお読み頂き有難うございました。