1.狸寝入りの朝
今年のクリスマス更新★
★みんな爆発しろ★
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「おはようございます。いいお天気ですよ」
肩を揺すられ覚醒する。
けれども私はそのまま瞼を閉じ続ける。
「もう。起きないと、こうですよ」
いたずらっぽく笑う気配がする。
温かくてやわらかな肢体が寝ている私の上へと寄り添い、蟀谷や耳元へとやわらかな唇を寄せてくる。
ちゅっちゅとわざとらしい音を立てて啄まれると、さすがに擽ったい。
寝たふりを続けることも難しくなって、ついに私は笑い出した。
「ようやく起きましたね。朝ごはん、用意して待ってますね」
用意してから起こしに来てくれている訳ではない。
いつも私の掛けた目覚ましの音で盛り付けを始めるようだ。
私が顔を洗って階下へ降りる時に合わせて、熱々のスープや珈琲が食卓へ並べられるのだ。
目覚ましが鳴った後も階上で動く気配が無ければ、先ほどのように起こしに来てくれる。
お陰で寝坊しなくなったと周囲には評判だ。
寝坊の理由は様々で、目覚ましを掛け忘れる時もあれば、二度寝の体制に入ってしまう時もある。
勿論、起こしに来て欲しいという時も、ある。
『見合い結婚かぁ、うへえ。俺は嫌だな。やすらぎのない結婚て、墓場以下だろ』
結婚前、結婚は人生の墓場だと嘯く職場の先輩たちや友人共から散々揶揄われたが、よそいき状態で緊張感を持った結婚生活も、時間が経てば弛んでくる。
そもそも知り合って間もないから、苦手な部分があっても、そりゃあるよねと思えるし、次に好感が持てる処を知れば落ち着いて見直すことができるし。
恋愛相手として分かり合えていると思いつつ始めた結婚生活ではなく、相手に関して知らない事ばかりだからこそ、ガッカリしても当然で、それでも尊敬する人が太鼓判を押して勧めてくれただけはある相手なだけあって、見直すことも多かったりする。
そんな風に、お互いが許し合える場所を探っていく結婚生活。
緊張感のある中で、お互いの許容範囲を探っていく日常は、想像よりずっと悪くなかった。
昨夜、ベッドへ潜る時にてのひらに感じた、綺麗に敷かれた洗ったばかりのシーツの様に。
真っ白で清潔でサラサラで、冷たさすら、心地いい。
「おはよう」
「二度目よう。珈琲どうぞ」
ほんのりと笑っている妻が、寝ぼけ眼に眩しい。
この人の声で朝の挨拶を聞きたいと思って決めた見合い結婚だったが、いまのところ、想像していた以上に幸せな気持ちになれている。
いつものように席へ着くと、野菜スープと目玉焼きの乗ったトーストと、果物入りのヨーグルトが運ばれてくる。
テーブルの対面には珈琲の入ったマグだけ。
妻となった人は、朝食を摂らない人だった。
でも一緒にテーブルを囲んでくれる。
夕食は一緒。外食もデリバリーも多いけど稀に私の方が先に帰れた時は、作って待つこともある。
「ありがとう。これからもよろしくお願いします」
いただきますというべきところで、礼を告げたら笑われた。
笑顔が可愛くて幸せだった。
朝っぱらから爆破テロ★




