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侍女いわく私は悪役令嬢らしい  作者: 日華
第1章 悪役令嬢への分岐点は幼少期にあり
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アクアス・アレキサンドライト

アクアス視点です。

1月22日、両親を失った。

原因は馬車が路面凍結によって滑り、横倒れになったことらしい。


僕はアレキサンドライト公爵家の分家である伯爵家の当主を父に持つにもかかわらず、何故か赤い瞳で生まれ、従兄弟たちなどからは「不吉だ、不義の子だ」とよくいじめられていた。

両親はとても仲がよく僕を大切にしてくれていたからもちろん不義の子などではないし「お日様と同じ赤色だ」と愛してくれた。

そしてあの子も…


ただ、この瞳では親戚筋に受け入れられないだろう。

アレキサンドライト家の血筋のものは必ず緑の瞳を持つはずなのだから。

僕は不吉な赤なのだから。そんなことを考えながら葬儀を終えた。


…僕のせいで不幸は実際に起きたのだ。両親の最後に立ち寄った場所に行くと瞳の色を変化させる魔道具の眼鏡を注文していた。

どうしても瞳を指摘されてしまう僕への誕生日プレゼントだったのだろう。

店主は憐れんだのか数日後には完成させてくれた。


僕のせいだ、やはり僕は周りの人を不幸にする不吉な子どもなのだ。


このことを伝え、実際に魔道具屋に連れて行ってくれたのは遠縁であるアレキサンドライト公爵だった。

彼は優しく僕のことをおもんばかってくれたし、瞳のことについても何も言わなかった。


「かなり遠縁であるはずの父の息子の僕にどうしてそれほど優しくしてくださるのでしょうか?」


思わず、聞いてしまった。


すると「学生時代、ケトゥヌスとは同じクラスで仲が良かったんだよ、君のお母様のドーラも同様にね」


そのまま少し気はずかしそうに「私と妻が学園内で大喧嘩した時に必死で止めてくれたのが彼らだったんだよ」続けた。


そういうことか、と思いつつ学生という言葉を聞いて

「アクアスが優秀なのはもちろん私たちの子だからね」と僕がいじめられた後に慰めてくれた言葉を思い出した。



「彼らにはまだその時の恩を返せていないんだよ。だから…

…私たちと新しい家族にならないか、アクアス。」


そう言って差し出された手を無意識に取り、声をあげて泣いた。


涙を流したのは動かなくなった両親の姿を見た日以来だった。


こうして1月の終わり、本家である公爵家に養子として迎え入れられることになった。

公爵家には僕より2つ年下の女の子がいるらしい。


子どもがいるならこの眼鏡で呪われた瞳を隠さないと…僕は両親の残してくれた眼鏡をかけた。


たしかに公爵は受け入れてくれたが…


ーーこの色は両親とあの妖精しか愛してくれないのだから…

見つけてくださった方、評価してくださった方、ブックマークを付けてくださった方、本当にありがとうございます!

とりあえず、今月は毎日投稿できます。

書きたいことが多すぎて、主要キャラたちが登場する章まで進めない!

ちょくちょく恋愛要素は増えていってるんですが…

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