特級ダンジョン
出来るだけ迷宮都市に来れる時間を作るようにしてより難易度の高いダンジョンへの入場許可を得ることが出来るように冒険者ランクを上げる為にダンジョンの踏破や依頼の達成などを繰り返して冒険者ランクを特級まで上げる事が出来た。
冒険者のランクは一部の特別優秀な者達が英雄級になれているだけで、通常の者達の最高ランクは実質特級である。
スキルなどのランクと同様に現在の人間種においては、冒険者ランクも幻想級以上はあり得ないものの扱いである。
そんな常人における最高ランクともいえる特級に最低年齢を更新して昇格したので、本来であれば他の冒険者からの過剰な勧誘や様々な無茶な依頼の指名などが発生する可能性があったのだが、ソフィアさんとエレノアさんが所属しているパーティーの為ギルド側から他の冒険者パーティーや依頼主たちへの情報提供が慎重に行われているために特に問題は発生していない。
そんな感じでより高い難易度のダンジョンに入場する条件を満たしたので、今回は未踏破のダンジョンへと挑戦する事にした。
上級ダンジョンまでは隅々まで調べてランク以上の危険性が無いかをしっかりと確認した状態のダンジョンしか存在していない。
しかし特級以上になるとそこまでするのにかかる労力から踏破済みでも調べていない区域があったりだとかそもそも未踏破なダンジョンが存在している。
その為に今までは踏破済みのダンジョンしか挑戦してこなかったけど、やっと未踏破ダンジョンに挑戦する事が出来るのだ。
そんなわけで今までよりも警戒しながら進む事にする。
未踏破ダンジョンの場合階層によっての難易度でランクを暫定で定めているので未踏破階層の難易度によっては英雄級以上の場合がある。
なので決して油断していいようなダンジョンではないのだ。
今まではエレノアさんのスキルに任せていたが、俺もスキルによって索敵などを行って危ないようであればいつでも手助けや場合によってはリムーバルの能力での退避を行えるように警戒を強めて進んで行く。
上級ダンジョンまではソフィアさんとエレノアさんの鍛錬には物足りなかったけど、さすが特級ダンジョンに認定されているだけあって2人にとってちょうど良い難易度の敵などが出てき始めている。
油断さえしなければ遅れをとるような事は無いが、しっかりと自分の力を発揮しないと思わぬ苦戦をする事も出て来た。
どうやらこのダンジョンは当初の目的だった2人の鍛錬にちょうど良さそうなので、このダンジョンは踏破速度などは気にせずに鍛錬に重点を置いて進めていく事にするのだった。