表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/162

迷宮都市の露店事情

そこそこの人気がありそうでありながらも並んで待つ必要のないお店を選んで食事を済ませた後は露店が集まった広場があったので見て回る事にした。


「何だか迷宮都市ってもっといい武具やポーション類がそろっているのだと思ってたのだけど、むしろ品質の低い物の方が多いわね?」


「ああ。それは武具やポーション類は品質の良し悪しを見極める事が出来なかったり上手じゃない人たちが多いから、品質以上の価格を設定している人たちが一定数出て来るみたいだよ。

露店じゃなくて店舗であればこういう事はほとんどないみたいだけどね。」


出会った当初は敬語だったのが日々の生活の中で慣れたのか、幾分か崩した口調で疑問を投げかけてくるソフィアさんに対してそう返答する。


迷宮都市は新人からベテランまで様々な冒険者が集まるが、それに合わせて冒険者を相手に商売する者達も様々なランクの者達が存在している。


特に生活に必要不可欠な食事関係と宿屋の類は本当に多く存在している。


金欠な事が多い新人冒険者向けの低価格を売りにしている所。


少し金銭に余裕ができ始める一人前の冒険者向けに価格を抑えつつも質の良い所。


稼げる金額が多くなるベテラン冒険者向けの価格も高いが、品質が高く高い満足感を提供する所。


そんな感じで価格に見合った質を提供される場所が多く存在していて冒険者たちのモチベーションの向上に一役買っているのだが、その反面多くの人が集まる場所であることに目を付けて価格に見合わない粗悪な物を販売する所も多数存在するらしい。


食事や宿屋などはあまりに酷いものにはだれでも気づくことが出来るので直ぐに淘汰されるのだが、価値のわかりづらいもの、武具や回復ポーションや魔力ポーションなどの冒険者にとっての稼ぎに直結するだろう物に限ってそういった露店などが多く存在しているようだ。


「そういうものなのね。冒険者にとっては命に係わるものなのだからしっかりとした鑑定眼を身につける必要があるでしょうけど、こればかりは慣れが必要よね。」


ソフィアさんみたいな貴族だと普段から品質の良い物を使用したり見る機会が多くあるので、その辺りの見極めなんかは苦労しないだろうけど冒険者の多くは普通の村人が一攫千金を狙って登録しているため物の価値を見極めるのが天性でうまい者以外は少しづつどういったものが品質が良いかを学んでいくしかない。


「あ…これはまだ読んだことが無い書物です…

さすがは迷宮都市。

国中から冒険者と商人が集まると言われるだけの事がありますね。」


俺たちがぼったくり露店の話をしている間に、別の露店で販売されていた書物に反応したエレノアさんが物色を始めた。


迷宮都市には数は多く無いものの研究者がダンジョン産の素材やダンジョンの謎を求めてやって来る事があるのでその人たち向けに書物やダンジョンで手に入った謎の物体などが露店に並ぶこともあるみたいだな。


エレノアさんは書物を求めて露店をいくつか見て回り、ソフィアさんもたまに小物や装飾品で掘り出し物があったらしく露店巡りでいい気分転換になったな。


リムーバルのおかげでいつでも来れるし、今日の所は王都に戻ってまた次の休息日にでも新しくダンジョンの攻略でもしに来ようと話して帰還する事にしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ