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世界樹との対面

何というか…

他のエルフ族もリリーと同様に見事な対応の変わりっぷりを見せた。

ファームラビット達がやったのって本当に説得だよね?

何か洗脳とかしてたりしないよね?


何はともあれエルフ族の説得が終了したところで早速ファームラビット達からの許可が下りたのでリムーバルに転移をしてもらう。


「それではこれから世界樹の元へと移動をします。

この場所からはかなり離れた場所にありますので、転移によって移動をします。

いきなり周りが変わりますが慌てないでください。」


そう伝えて転移を発動してもらう。


世界樹の元に転移をすると、世界樹の姿を見たとたんにエルフ族達が突然土下座をし始める。


「世界樹が存在しているとは聞いておりましたが、まさか休眠状態ではなく活動状態で保てているなんて…

しかもこの場に来なければ感じ取れませんでしたがクリス殿と世界樹の間にこれほど強固な魔力の回路パスが出来ているなんて…」


どういう事だろう。いったい何に驚いているのかがよくわからないんだけど…


「えっと。どういう事?

何か驚くような事があったの?」


「さすがクリス殿。ファームラビット殿がおっしゃっていた通りですね。

まず世界樹なのですが周りの悪い空気や魔力を吸収して神気を発生させます。

この際に世界樹には疲労やストレスが溜まります。

それがある水準までいくと休眠状態というものになってしまいます。

しかしここの世界樹は神気を発生させているのに疲労やストレスが見受けられません。

悪い空気や魔力が存在していない状態では世界樹が疲労やストレスを感じることなく神気を発生させることが出来ると昔に聞いた事があります。

しかも世界樹はとても繊細な植物なので、繋げられた魔力の回路パスはその者の事をどれだけ信頼しているかという事を表します。

これほど強固な魔力の回路パスはエルフ族の世界樹の巫女様でも無理だったでしょう。

世界樹の精霊様もクリス殿から送られてくる魔力をあんなに満面の笑顔で吸収していらっしゃいますし。

世界樹からこれほどの信頼を寄せられているなんてクリス殿は本当に素晴らしい方です。」


ん?今精霊様って言ったか?

そういえば世界樹が安定したらこの前の光の集合体が精霊として独自の姿を取り始めるって言っていたような…


確かに光の集合体は見かけなくなったけど、まだ精霊とやらを見ていない気がするな…


「ねえ、リリー。

ちょっと聞きたいんだけど世界樹の精霊様とやらはどこにいるの?

まだ一度も見たことが無いんだけど…」


「え?そんなはずは…

これほどの魔力の回路パスが繋がっているのであれば姿を見せないなんて、え?

は、はい。申し訳ありませんでした。

はい。しっかりとお伝えします。」


リリーは俺の質問に対して答えてくれていた途中で突然何かに話しかけられたかのような反応をして、世界樹の方に向かって何かしら会話をしているのだが、やはり俺には何もいないように見える…


「クリス殿失礼しました。

精霊様は決してクリス殿に会いたくないわけでは無く、今の姿ではクリス殿に合うのに不足していると言われています…

もっと成長して立派なレディになれたら姿を見せるつもりだとの事です。

その為に今はクリス殿に姿を見えないようにしているそうです。」


「えっと…そうなんだ。

まあ元気そうなのであれば良いよ。うん。

それじゃあ。会えるのを楽しみにしているね。」


リリーから聞かされた内容にどう反応すればいいのかわからずそう返すと、世界樹が強く光を放つ。


「おおー。クリス様の言葉で世界樹も喜んでいますね。」


あ。喜んでいるのね。何だか世界樹の生態もよくわからない感じだな…

ファームラビットや妖精たちがいて本当に助かった。俺一人じゃとてもちゃんと育てることが出来なかったと思う…


「クリス殿。我々エルフ族がこの地で過ごすことを許可していただけないでしょうか?

我々も植物に関しての知識ではファームラビット殿にも負けないと自負しています。

エルフ族特有の魔法技術などもあるのでお役に立てると思います。」


よし。世界樹の事もあるからエルフ族がこの森で共存関係になってくれるのはありがたい。

世界樹の精霊の事などは今まで報告に上がってこなかった。

問題があったわけでは無いけど、今後の事を考えるのだったら精霊を知覚出来るエルフ族がいれば対応できる内容が広がるだろう。


「こちらこそお願いします。

リムーバルと俺が協力すればいくらでも転移を行えますので、必要な物はどんどん運んじゃいましょう。」


こうして世界樹の森に新たな仲間が増えたのだった。

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